じめじめした梅雨の時期は、風通しの悪い場所でカビが生えやすい。カビの胞子を吸い込むとぜんそくなどのアレルギーの原因となり、健康被害を引き起こすこともある。家庭内のカビ対策を専門家に聞いた。
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◆野菜は洗い保存
カビは水分と栄養があれば、どこでも繁殖する。浴室、洗面所、台所、トイレの水回りは全て要注意だ。
「カビ対策の基本は、『付けない』『増やさない』『速やかな殺菌』です。特に包丁やまな板など、調理に使うものはこまめに手入れをしてください」と話すのは、エフシージー総合研究所(東京都江東区)の川上裕司・環境科学研究室長。
『付けない』は、まずカビを室内に入れないこと。雨水には空気中のチリやホコリのほか、カビの胞子も交ざっている。そのため、雨の日は、靴の裏や傘、衣服などからカビが室内に侵入しやすい。川上室長は「傘は屋外に置き、たたきに新聞紙を敷いて靴の泥を落とすなど、まずは家の中にできるだけ入れない工夫を」。
カビは土が生息場所だ。そのため、土の付いた野菜は、そのまま野菜室に入れず、洗って新しい袋に入れて保存する。冷蔵庫内は、水拭きではなく、消毒用エタノールを吹き付けた布(使い捨て)で拭き取るなど、こまめに拭き掃除をして殺菌するといい。
まな板や包丁など調理に使うものはできるだけ天日で干し、週1回は塩素消毒をする。テーブルや調理台も消毒用アルコールをスプレーし、布や紙で拭き取る。汚れたふきんを使い回ししないことが大切だ。
◆水滴を拭き取る
浴室掃除のポイントは、壁や床にカビを発見したら、早めにカビ取り剤(塩素系漂白剤)で取り除くこと。「とりあえず、スポンジと水で洗い流しておけばいい」とこすり取ると、逆にカビの胞子を周囲に塗り広げることにもなりかねない。
カビが発生しにくい浴室にするためには、排水口にたまった髪やせっけんかすをこまめに取り除く。また、入浴後に壁に付いた水滴をぼろ布で拭き取り、できるだけ湿気をこもらせないことだ。
川上室長は「換気扇や扇風機を使って、よく換気してください。カビを全くゼロにすることはできないが、増やさない工夫はある」と話している。
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