医師や看護師がヘリコプターに乗り救急現場に駆けつける「ドクターヘリ」の運用が、今年１０月から、新潟大医歯学総合病院を拠点に県内でも始まることとなった。県議会２月定例会に提出された１２年度当初予算案に、運航経費１億４３００万円が盛り込まれた。
ドクターヘリは、９５年の阪神大震災で救急搬送が難航した反省から、０１年以降、厚生労働省が全国で導入を進めているもの。今年１月１日現在で２４道府県が２９機を活用しており、昨年３月の東日本大震災でも発生後１週間で１８機が活動した。
メリットは、現場で即、医者の治療が受けられるようになることで、陸路搬送に比べて治療開始時間が２６分間短縮されるとされている。ヘリには除細動器や人工呼吸器など救急医療用の機材が搭載されているという。
新潟市中央区の新大病院に７人乗りの川崎重工業製「ＢＫ１１７Ｃ－２」を配備。同病院と運航会社に運航業務の委託契約を結んでもらい、悪天候時や夜間を除き、年間を通じて全県を対象に対応できる態勢をつくる。年２億円程度かかる運航費は国と県が折半する。
出動は１日１件程度を予想。１１９番を受けた消防が要請すれば、佐渡市までなら２０分程度、糸魚川市なら４０分程度で到着できる。災害時や離島での医療活動、病院間搬送などにも活用できるといい、関係者でつくる委員会が運航の要領づくりを進めている。
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