◇旬のカキ、青菜を
ホウレンソウ、小松菜などの青菜は、冬季にビタミンCや鉄分などの栄養素が高くなる。今が旬のカキもミネラル豊富で、粒が大きく食べごろを迎えている。「ベターホームのお料理教室」(本部・東京都渋谷区)の専任講師、越川藤乃さんは「鉄分は吸収されにくいので、毎日意識してとるように心がけてください」と勧める。
鉄分は、体全体に酸素を運ぶ働きがある。不足すると貧血、疲労、頭痛、動悸(どうき)、息切れなどの症状が出る。特に妊娠中の女性は不足しがちなので、上手にとり入れたい。鶏や豚のレバーが鉄分を多く含むが、苦手な人も多い。そこで今回は、カキを使った料理をメーンに紹介する。
冬のカキ料理といえば鍋ものだが、洋風にパエリアにしてもおいしい。専用の鍋がなくてもフライパンで簡単に作れる。カキをふっくらおいしく仕上げるポイントは▽塩水(水200CC+塩小さじ1)で洗ったあと真水ですすぐ▽火を通し過ぎない――の2点だ。
カキのうまみが米にしみこみ、クレソンのほどよい苦みが口いっぱいに広がる大人の味に仕上がった。受講生の河野啓子さん(51)は「カキが水っぽくなく、粒の大きさも変わらない」と満足そう。
カキは鉄分のほか、疲労回復に効果のあるグリコーゲン、亜鉛、タウリンも含む。日ごろ貧血気味という高橋勝憲さん(65)は「これから積極的にカキを食べます」と話していた。
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「こまツナエッグ」は小松菜、ツナ、卵に鉄分が含まれ、ビタミンC、カルシウムもそろっていてバランスが良い。トースト、ソーセージと組み合わせて朝食にもお勧め。湯に卵を割り入れるポーチドエッグは、簡単そうで難しい。深さのある鍋にたっぷりの湯を沸かし、酢を入れ、あらかじめ器に割っておいた卵を静かに落とし、箸で形を整え弱火で2~3分ゆで、すくい取る。サラダ、パスタの上にのせたり、スープの具としても。
デザートは「豆乳プリン」。豆乳は牛乳より鉄分が多く、活用したい。ソースにはキウイやイチゴなどの果物を使ったり、ジャムを利用しても簡単。和風に黒ミツ、ゆで小豆をのせてもおいしい。【小川節子、写真・山本晋】=次回3月6日は最終回。「体も心も元気に お花見弁当」です。
◇一口メモ
★吸収を促進させる食べ物
鉄分を多く含む食品は鶏や豚のレバー、卵、イワシ、マグロ、カキ、アサリ、大豆製品、青菜、ひじきなど。これに野菜や果物のビタミンC、酢のクエン酸、良質なたんぱく質を組み合わせると、吸収が一層よくなる。
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★カキのパエリア風(1人前299キロカロリー)
《主な材料》(4人分)
▽カキ(加熱用) 300グラム
▽白ワイン 50CC
▽米 1.5合
▽タマネギ 1/2個
▽ニンニク 1片
▽パプリカ(赤) 1/2個
▽クレソン 1束
▽オリーブ油 大さじ1
▽A(スープのもと小さじ1、塩小さじ1/4、コショウ少々)
▽レモン
《作り方》
<1>カキは塩水で洗い、真水ですすぐ。
<2>鍋に(1)とワインを入れ、2分蒸し煮にし取り出す。蒸し汁に湯を加え270CCにしAを加える。
<3>フライパンにオリーブ油を温め、みじん切りのタマネギ、ニンニクをしんなりするまで炒める。米(とがない)を加え、透明になるまで炒める。
<4>(3)に5ミリ角に切ったパプリカと(2)のスープを加えて熱し、沸騰したらふたをし弱火で17~18分炊く。
<5>(4)にカキと短く切ったクレソンの茎を加え、火を止め10分蒸らす。
<6>クレソンの葉をちぎって散らし、レモンを添える。
★こまツナエッグ(1人前140キロカロリー)
《主な材料》(2人分)
▽小松菜 1/2束
▽ツナ 1/2缶
▽卵 2個
《作り方》
<1>小松菜は4センチに切り、茎と葉に分ける。
<2>1リットルの湯に酢大さじ2を加え、卵を入れてポーチドエッグを作る。
<3>フライパンにツナを油ごと入れ温め、小松菜の茎、葉の順に炒め塩、コショウを少々振る。器に盛り、(2)をのせる。
★豆乳プリン・キウイソース(1人前111キロカロリー)
《主な材料》(2人分)
▽豆乳(無調整、調整どちらでも可)150CC
▽砂糖 大さじ2
▽ゼラチン 小さじ1
▽水 大さじ1と1/2
▽キウイソース(キウイ1/2個、洋酒小さじ1、砂糖大さじ1/2)
《作り方》
<1>キウイは皮をむいて粗く刻み、洋酒と砂糖を混ぜソースを作る。
<2>ゼラチンは水にふり入れる。
<3>鍋に豆乳、砂糖を入れて火にかける。砂糖を溶かし、沸騰寸前まで温めたら火からおろし、(2)を加え溶かす。器に注ぎ、冷やし固める。
<4>食べる直前にキウイソースをかける。
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/bizskills/healthcare/20120207ddm013100034000c.html