先月末から続いた県内の大雪は寒気が弱まり、峠を越えたが、既に積雪していた斜面の上に積もった新雪が滑り落ちる「表層雪崩」の危険性が高まっていることから県は4日、ヘリコプターによる上空からの調査を始める。秋田県仙北市の温泉旅館「玉川温泉」近くの岩盤浴場で男女3人が死亡した雪崩もこの表層雪崩とみられ、県は急斜面などに近づかないよう呼びかけていく。
新潟地方気象台によると、積雪は各地で平年の2倍以上となっており、県内16観測地点のうち3日までに津南町、妙高市(関山)の2地点で積雪の深さが3メートルを超えた。上越、中越の山沿いでは今後も雪が降る見通しで、新しく積もった雪で雪崩の危険性が高まっている。
県は1873カ所の「なだれ危険箇所マップ」を作成しているが、このうち約680カ所で危険が高まっているという。1月28日から2日までに危険が高まっているところを中心に延べ563カ所をパトロールしたが、現時点で大規模な雪崩が発生したとの情報は寄せられていない。ヘリ調査はまず妙高市、上越市、糸魚川市などから始める予定だが、県砂防課では「念のためにすべてのところで危険が高まっていると認識してほしい」と注意を呼びかけている。
泉田裕彦知事は3日、この冬2回目の県豪雪対策本部を開き、「天候は一段落したが、再び雪が降ったときの雪崩に警戒する必要がある」と述べた。5日には平野達男防災担当相が雪の被害状況を把握するため来県する予定で、国と県との情報共有を急ぐ。
一方、県は3日、小千谷市、魚沼市、湯沢町、津南町に災害救助法を適用し、同法適用自治体は9市2町となった。また、雪の被害状況は同日午後3時現在で死傷者は178人。内訳は死者13人▽重傷者55人▽軽傷者110人。住宅被害は全壊1棟を含む計11棟に上っている。
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