マイコプラズマ肺炎の患者数が急激に増加 国立感染症研究所(以下感染研と表記)が先月19日に集計したマイコプラズマ肺炎の発生動向調査(週別)の結果によると、第41週(10月10日~10月16日)の定点(全国約500カ所の基幹定点医療機関)あたりの患者の報告数が、これまでの最高値を記録したことが分かった。
また、第43週(10月24日~10月30日)の定点当たりの患者の報告数は、沖縄県、岐阜県、岡山県、大阪府、埼玉県、青森県、福島県、宮城県の順で増加しており、23都道府県で前週よりも報告数の増加が認められた。
主な症状と患者の割合 マイコプラズマ肺炎は肺炎マイコプラズマという、細菌によく似た微生物病原体の感染によって発病する。咳のしぶきや患者との接触などが主な感染経路だ。
初発症状は発熱、全身倦怠、頭痛などで、特徴的な症状である咳は、初発症状発現後3~5日より始まることが多く、乾性の咳が経過に従って徐々に増強し、解熱後も3~4週間持続する。 咽頭炎や気管支炎を併発することもあり、熱が重症化すると死亡する場合もある。
潜伏期間は2~3週間と長めで、患者の8割は14歳以下の子供。発症年齢は8~9歳がピークと言われている。現場の医療機関などからは、これまで治療の第1選択薬とされていたマクロライド系抗菌薬が効かないといった症例も報告されており、その割合が年々増加していることからより一層の注意が必要とされる病気といえる。
特異的な予防方法はなく、流行期には手洗い、うがいなどの一般的な予防方法の励行と、患者との濃厚な接触を避けることが一番だとされている。 最近では、天皇陛下や皇太子ご夫妻の長女、愛子さまも一時、マイコプラズマ肺炎の感染の可能性があるとされた。
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