難病対策の見直しに向けて検討している厚生科学審議会疾病対策部会の難病対策委員会(委員長=金澤一郎・国際医療福祉大学院長)が10日開かれ、災害時の難病支援の在り方などについて、関係者からヒアリングを行った。ヒアリングでは、東日本大震災での経験を踏まえ、「現行の体制では、難病患者は放置されて孤立し、生命の危機を招く恐れもある」などと指摘された。
独自の難病研究事業などを行っているNPO法人「希少難病患者支援事務局」(SORD=ソルド)の小泉二郎代表は、震災で支援活動を行った経験を基に、「現行の医療体制では、適切な対応や必要な支援が遅れ、希少難病患者は放置され、孤立する」と指摘。専門知識のある医療者の不足や、難病に対する社会の理解の低さなどを問題点に挙げた。 岩手県難病相談支援センターの千葉健一センター長は、患者の被災状況を把握する上で「個人情報の保護」が壁になったことを報告。「役所に行っても、仮設住宅を回っても、どこに患者がいるのか分からず、支援の手を差し伸べられない」と強調した。
委員からは、「今回の震災では、(患者を)助けようとした人も津波の犠牲になっている。自力で動けない人がどこに住むかも、今後の復興計画で考えなくてはいけない点ではないか」などの意見が出された。
会合ではこのほか、難病研究の課題や、他の疾病対策もある中で難病対策がどう在るべきかといった視点からのヒアリングと意見交換が行われた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111110-00000000-cbn-soci