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「7年前よりひどい」 三条、五泉の住民ら続々避難

「7年前の水害よりひどい」--。停滞前線の影響で27日から降り続いた雨は、29日も厳しい大雨となり、中下越地方を中心に住宅の浸水や土砂崩れの被害が相次いだ。15人の命を奪った04年の新潟豪雨にも匹敵する豪雨。住民たちはやまない雨を不安げに見つめていた。【小林多美子、畠山哲郎、神田順二、塚本恒、川村裕太郎】
降り始めの27日正午から29日午後8時までの総降水量は、加茂市宮寄上で397ミリに達した。同地区の28日午後5時50分から1日あたりの降水量は318ミリで、同降水量が約400ミリだった新潟豪雨に匹敵する雨量となった。そのほかの地域の総降水量は、阿賀町津川で320ミリ▽同町室谷284ミリ▽三条市で276ミリ▽魚沼市入広瀬で268ミリ▽五泉市村松で238ミリ--を記録。各地で1時間あたり80~110ミリの激しい雨が断続的に降った。
雨の影響で各地で河川が増水し、加茂市の加茂川と下条川では一時、流水が道路に流出。信濃川(田上町)、阿賀野川(阿賀町)、五十嵐川(三条市)などで、氾濫危険水位を超えた。住宅の被害では、同日午後5時現在で、県内の計32棟で床上浸水、計338棟で床下浸水した。
避難状況は、田上町の298世帯などに避難指示が出され、三条、加茂、十日町、五泉の4市で約3万6047世帯に避難勧告が、長岡市の8645世帯に避難準備情報が出た。中でも三条市では、市内全域で3万4542世帯10万3997人に避難勧告が出された。
県は29日午前8時半、泉田裕彦知事を本部長とする豪雨対策本部を設置。同日夕、三条市への住民避難支援と河川の堤防補強のため、自衛隊に災害派遣を要請。これを受け同日、自衛隊新発田駐屯地から隊員160人が三条市に向かった。
三条市上保内で住宅の床上に浸水した泥水をかき出すのに追われていた荒井政雄さん(72)は「72年生きてきて、こんな雨は初めて。とにかくたまげた」と驚いた様子。昼前から水かさが増え始め、午後2時ごろには床上が冠水。貴重品などを2階に上げたが、2年前に買った50万円のプラズマテレビは持ち上げられなかった。荒井さんは「テレビにまで水がかぶらなきゃいいが」と話した。
また同じく床上浸水した近くに住む会社員、米山徹さん(37)は、救急隊の浮輪で何とか避難。「大雨が降ると、よく道路が冠水する地域ではあるが、こんなのは初めて。家も漏電のため電気が止まってしまった。これからどうしようか」とため息をついた。
一方、道路が冠水した同市塚野目。建材卸売会社に勤める山井時男さん(51)は「道路が冠水し、家に帰れなくなった」と話した。大雨が降ると度々道路が冠水するという同地区。山井さんは「水が引くまで待つしかない」とあきらめ顔だ。
同市東大崎の大崎小学校には地域住民約110人が避難した。同市中新から家族6人で避難してきた会社員、西川志郎さん(38)は「家の被害は無いが、やはり五十嵐川の決壊が怖い」と話す。
また床下浸水した同市興野の家電販売店「電器のアキバ」では従業員6人で排水作業に追われた。明道亮店長(51)は「商品の3~4割が商品にならなくなった」と肩を落とした。
1498世帯に避難勧告を出した五泉市では、避難先の同市総合会館に住民らが次々と訪れた。会社員の男性(59)は「自宅に年寄りがいるので、一旦帰ります」と話した。
田上町では、田んぼの様子を見に行ったという同町田上甲の農業男性(64)が行方不明となり、加茂地域消防本部で捜索している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110730-00000120-mailo-l15

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