◇県内、イベントの中止相次ぐ
東日本大震災を受け、県内では14日、義援金募集の動きが広がっている。一方、甚大な被害への配慮から公的な行事などの中止決定も相次いだ。【中尾祐児、松田栄二郎、尾垣和幸】
◇下関市、職員派遣など検討へ 市消防局隊員も 関東地方へ向け出発
14日開かれた下関市議会3月定例会の冒頭に市議や中尾友昭市長ら執行部が黙とうして犠牲者の冥福を祈った。中尾市長は同日の定例記者会見で、下関市など本州の東西南北の最端に位置する4自治体でつくる「本州四端協議会」のメンバーである岩手県宮古市が被災したことから、現地に救援物資や職員の派遣を検討していることを明らかにした。
また、総務省消防庁からの求めで緊急消防援助隊山口県隊が編成され、県内各地の消防隊員計107人が消防車や救急車などに分乗し、関東方面に向けて出発した。下関市消防局の消防隊員22人も消防車や救急車など計6台に毛布や食料など救援物資を積み、出発した。山口県隊長を務める岡本恒雄・市消防局警防課長は「一刻も早く到着し、1人でも多くの被災者を救助したい」と話していた。
一方、市役所には市民から「古着や毛布を送りたい」との電話が相次いでいる。
しかし、新潟県中越地震(04年10月)では全国から届いた大量の救援物資の仕分けに自治体職員が追われて業務に支障が出るなど大きな問題となった。このため、市防災安全課は「被災地の受け入れ体制が整うまで物資を送るのは難しい」と説明している。
総合支所、支所窓口などに募金箱を設け、協力を市民に呼びかけており、市役所本庁舎では14日に計約287万円が寄せられた。
◇梅光女学院の中高生、支援の募金活動--下関大丸前
梅光女学院(下関市丸山町)の中高校生約40人は14日、竹崎町の下関大丸前で、被災地支援の募金活動に取り組んだ。高校生徒会長の杉村和香さん(17)=2年=が「何かできないか」と企画、全員が声を振り絞って募金への理解を求めた。
杉村さんは地震のニュースを見て「何もしなくていいのか」と家族に相談。被災地の現状を考えると、物資ではなく、支援金を送ることにした。
生徒会や学校朝礼で協力を呼び掛けると、賛同者は一気に増え、被災地の今を伝える新聞記事なども用意。大丸前では多くの人が足を休め、「頑張ってね」とねぎらいの声をかけていた。
杉村さんは「『自己満足かもしれない』という葛藤もありましたが、『形になるなら行動しよう』と思い、決めました。少しでも被災地のために役立ちたい」と話す。16日正午からも大丸前で募金活動をする予定。日本赤十字社県支部を通じ、募金を被災地に送る。
〔下関版〕
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