千葉大学教授の明石要一氏は、「放課後や休日の学校外での時間は、お子さまの生きる力を育むうえで大切な時間」だと言う。そこで、ベネッセ教育情報サイトでは、学校外時間がなぜ大切なのか、そして学校外時間で身に付けさせたい力について伺った。
放課後には、学校だけでは経験できない「本物に触れる体験」をさせてほしいと考えています。本物の体験とは、本やテレビだけではわからない、その時期・その場所だけでしか経験できないものです。さまざまな体験をすることで、受験や就職にも役立つ「生きる力」を育むことができます。
(1)体力が身に付く
放課後や休日に外遊びやスポーツをして過ごすと、自然と歩く歩数が増え、体力が付きます。体を使うと食欲が増し、健康な体を作ることにもつながります。また健康な体は、学力にもつながります。小さいうちから体をたくさん動かす習慣を身に付けさせましょう。
(2)活用する力が身に付く
現在は、単に知識を暗記するのではなく、学習内容を社会で活用する力が重視されており、国際的な学習到達度調査(PISA)や全国学力・学習状況調査といったテストが実施されています。たとえば、算数を活用する力を身に付けるには、生活の中で、習った公式を使う場面を経験させることが効果的です。
(3)人間力が育つ
学校外時間は、お子さまの人間力を育む時間でもあります。人間力とは、学力や技術力などでははかることができない、人としての魅力のこと。成績や資格の数などのように、目に見える形で提示することができませんが、就職試験の面接で、人間力は重視されています。
(4)コミュニケーション力が養われる
放課後時間は、第3の大人に出会える時間です。第1の大人は保護者、第2の大人は学校や塾の先生など、そして第3の大人は地域のおじさん、おばさんです。第3の大人は必ずしもお子さまにとって「よい大人」とは限りません。もどかしい思いをすることがあるでしょう。しかし、そうした経験でお子さまの表現能力、コミュニケーション能力が養われ、「生きる力」が鍛えられることになります。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151221-00010000-benesseks-life