【 行(ゆくに) 不(ず) 由(よら) 径(こみちに) 】(ゆくにこみちによらず)…論語(ろんご)(雍也(ようや)第六(だいろく))
(訳…径(こみち)・近道をせず、遠回りと思っても大道(だいどう)を一歩一歩着実に歩めの意)
~ 【孔子(こうし)】と【子游(しゆう)】の会話の中にある言葉です。
【子游(しゆう)】が武(ぶ)城(じょう)という町の宰(さい)(首相)になった時、【孔子(こうし)】が「汝(なんじ)、人(ひと)を得(え)たりや」、お前はそこで、人格高潔な人物を発見したか、と聞きました。
そこで、【子游(しゆう)】は、『「澹台滅(たんだいめつ)明(めい)」なる者(もの)あり、行(ゆ)くに径(こみち)によらず』と。
【澹台滅(たんだいめつ)明(めい)】という者がおります。彼は常に大道を歩み、決して人の踏むべき道を外れません。この会話が出典です。人間は、得てして姑息な手段を取ったり、近道をしたり、はたまた小利に目が眩んだり等、心が揺らぎ勝ちになります。
しかし、私達は常に正々堂々と大道を歩むことが、肝心なのではないでしょうか。
大道を歩むことは、遠回りに見えても一番の近道です。
漢学博士・諸橋(もろはし)轍(てつ)次(じ)氏の出生地、三条市(旧下田村)にある、『諸橋(もろはし)轍(てつ)次(じ)記念館(きねんかん)』の正面玄関の壁面に、この四文字が掲げられています。
皆さんも是非一度ご覧になられたら如何でしょうか。~