固有名詞を出すとご迷惑になるかもしれないので、敢えて「スクール○○」と言いますが、小学校の現場に特化した便利ソフト「スクール○○」というソフトが、今後、長岡市の小学校に導入されるPCにはインストールされているらしいです。
この「スクール○○」の機能の中にはメール配信機能もあるそうですが、今はそこまで機能を開放せず、一部だけが使用されているようです。
このメール機能、、、私の調査した範囲で申しますと、個人情報保護的に大問題があるようなのです。
問題はいくつかあるのですが、一つだけご紹介しておきます。
「保護者のメールアドレスをいったん学校が集めなければいけない」ということ。
集め方は、「保護者から紙に書いてもらって集める」または「保護者から学校宛てにメールを送信してもらって集める」など、学校によって様々らしいのですが、いずれにしても、学校がいったん集めて、学校の教職員が目を通し、手入力するということになります。
この方法によるメールアドレス収集は、0(ゼロ)とo(オー)、l(エル)と1(イチ)など、読み取り違いの誤入力に起因する無効アドレスの問題があることはもちろんなのですが、それよりも問題なのは個人情報保護上の問題です。
世の情報漏洩事件のほとんどは、「人為的な漏洩」によるもの。
ネット社会にあまり詳しくない皆さんは、「システムにハッキングされて盗まれる」というような高度な情報漏洩事件をお考えかもしれませんが、そのような形での漏洩事件はほんの、ほんの一握りでして、実際のところは「人為的な漏洩」がほとんどなのです。
ですから、学校が保護者のメールアドレスを集める上で、人が介在する形の集め方は、その時点ですでにアウト!!
紙にしろ、メールで集めるにしろ、人の目を通す形で集められるやり方は、個人情報保護上で大問題があると言わざるを得ません。
当NPOが教育委員会から検証事業を請けていた際は、「個人情報だけはしっかりお願いします」と口酸っぱく言われておりましたので、賢明な我が長岡市の教育行政は、個人情報上の問題大ありのこのソフトのメール機能を、まさか開放するなどということはしないと思うのですが…。
もしも、このメール機能が開放されてしまったら…なんだか少し心配になってきました。
私たちは何のために検証事業を三年間も行ってきたのでしょう?
ちなみに、私共が携わらせていただいた検証事業では、
保護者のメールアドレスは誰の目も通さずにサーバーで直接集め、集めた後はロックを掛けて誰もみれなくする…という仕組みにしました。
保護者のメールアドレスを集めるのなら、この方法以外にないと私たちは思っているのですが…。
学校側がどのシステムを使おうともちろん自由なのですが、「個人情報保護」という基本中の基本の問題だけはせめてクリアしてもらわなければ、話にならないのでは!?と思う次第であります。