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伝習会〈第九回〉

【断(だん) 腸(ちょう) の 思(おも) い】……後(ご)漢書(かんじょ)
(訳……腸がちぎれるほど、悲しいこと)
~ これは世説(せせつ)新語(しんご)の中にある次のような出来事からの故事です。  
晋(しん)の武将桓(かん)温(おん)が船で山峡(さんきょう)を渡っていた時、部下の一人が猿の子供を捕らえて船に乗せて連れて行きました。これを見た母猿はビックリして、悲しい泣き声で叫び続け、百里以上も岸づたいに、どこまでも追って来て、ついに船に飛び移ることが出来ました。母猿は子猿の所に行き、抱きかかえると同時に息絶えて死んでしまいました。
その母猿のお腹を割いて見ると、腸がずたずたに千切れていたそうです。
ここから、腸がずたずたに千切れるほどに、悲しいことを【断腸(だんちょう)の思(おも)い】という故事になりました。桓(かん)温(おん)は、子猿を捕まえた部下を罷免しました。
動物を愛する気持ち、人を思いやる気持ちは、人間として最も大切なことではないでしょうか。 
原文は【腸(ちょう)皆(みな)寸寸(すんすん)に断(た)えたり】とあります。

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2010年03月18日 08:03に投稿されたエントリーのページです。

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