« 愛? それとも絆? | メイン | 酔う花? »

交通事故情報の配信について

事務局長の笠井です。

最近、交通事故が、なぜか分かりませんが、頻繁に起きています。

私たちが交通事故の情報メールを配信できるのは、ひとえに特派員の皆さんからの迅速な情報提供があるからです。
特派員の整備が順調に進んでいるため、事故や火災の情報が以前よりスムーズに提供されてくるようになったのは間違いないのですが、それにしましても、最近の事故情報発信の多さは、特派員整備に起因するものではなく、事故の増加によるものと言った方が良いでしょう。

ところで、本日、一般会員のキンモクセイさんから次のようなご意見が掲示板に寄せられました。
…………
最近よく交通事故の情報が配信されます。
車を使う仕事をしているので、この配信はとても有り難いと思っています。
ただ、その後の続報を見ると、第4報まであり、現場写真を開けてみると、どこ
を写しているのかよくわかりません。
そこまでの情報は必要なのでしょうか?
事故の様子、場所(地図など)だけで十分な気がします。
…………

良い機会ですから、事故や火災情報を発信することの意味や目的について再度説明させていただくこととします。

結論から申し上げます。
特派員システムは、平時に事故や災害の情報を発信するためではなく、災害時に情報を迅速かつ正確に共有するために整備しました。
災害が発生した際、特派員から各地の被害状況を収拾し情報発信します。
災害時、殊に発災直後は、行政側でも情報収拾が満足にできませんので、特派員から提供されてくる情報は貴重なものとなるでしょう。

しかし、普段からやり慣れていないことは緊急時にはできません。
メールの文章を入力すること、事務局宛てにメールを送信すること、被害程度を伝達するために画像を添付すること、そして何よりも事態を正確に把握し冷静な判断に基づいて的確な言葉にすること、、これらのことを被災下の混乱の中で行うことができるか!?

当NPOのアドバイザーでもある長岡造形大学・平井教授はこう言っています。
「人間の想像力は自然の創造力に常に負ける」と。

災害時には想定していたマニュアルを超えた事態が必ず起こる。
だから平時においてはできていることでも、災害時にはできなくなることに何の不思議もない。
言い換えれば、平時にしていなかったことを、災害時にできるはずがない、ということであります。

そこで、私たちは、「災害時における緊急伝達訓練」の目的で、平時において交通事故や火災等々の情報を発信しています。

先般は、ある女性会員から「不審者情報だけ欲しい。事故などの情報は要らない。」とのご意見をいただき、そして、本日、キンモクセイさんからは「事故情報を配信してもらうのは助かるが、画像などの情報は必要ない」とのご意見をいただきました。
上記のような理由ですので、残念ながら、どちらのご意見にも沿うことはできません。

不審者情報しか要らないと思っている人には、事故や火災情報が届く自体が邪魔くさいでしょう。
現場の画像の情報まで要らないと思っている人からは、訳の分からん画像を載せるくらいなら載せないほうがまし、と思われているでしょう。
しかし、それもこれも全ては万一時に備える訓練途上のことですので、たとえ多少の失敗があっても、どうか我慢してください。

災害時に、多くの人が命を落としてしまうかもしれない状況になっても、子ども達の命だけは守りたいと思うなら、災害時に役立つ情報共有網を作るために、ご理解のほどお願いいたします。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://jmjp.jp/mt/mt-tb-jmjp.cgi/1447

コメント (4)

フェニックス:

情報配信についてのご意見は、年齢・家族構成・環境・地域等で多様だと思いますし、皆さんの意見もそれぞれに正しいと思います。私は特派員さん達の立場になって考えると、豪雨・河川越水・強風の中、写真を撮り、メールを送る苦労、交通事故の
現場で野次馬に間違われたり、奇異な眼で見られたり、デスクワークとは、全くかけ離れたご苦労があると思います。ガソリン代も高騰するなかで、1分1秒でも早く現場に駆けつけ、市民の為に情報提供する事は、とても真似の出来る事では無いと思っています。営利目的ではないのですよ・・。ましてや災害時を想像すると頭が下がります。-頑張れ- NPO住民安全NW・JAPAN

笠井/住民安全ネットワーク:

フェニックスさん、激励ありがとうございます。

頑張ります。

skymax:

笠井さん、昨夜は天体観望会でお世話になりました。
昨夜の観望会の最中、近くの大手大橋の上を何台もの緊急車両がサイレンを鳴らしながら通過して行きました。
そんな時、笠井さんは常に携帯しているノートパソコンと複数の携帯電話を駆使しながら、情報を集めておられました。
おそらく笠井さんは年中無休・24時間体制で情報収集と情報発信に努めていらっしゃるのではないでしょうか?
本業が忙しいからと、PTA・子供会などの活動に及び腰の私などは頭が下がる思いです。
私自身も良く知っているわけではありませんが、このNPO活動は決して余力のある方たちが、余暇にやっている活動ではありません。
これまで情報を受け取るだけの存在だった私たちにが、相互に情報を発信しあえるというのは素晴らしいことだと思います。

笠井さん、スタッフの皆さん、ご苦労も尋常ではないと思いますが頑張って下さいね。
私に協力出来ることがありましたら、積極的に応援させて下さい。

笠井/住民安全ネットワーク:

skymaxさん、こちらこそ、大変お世話になりました。

思えば、最初はネット上でやりとりしているだけの関係だったskymaxさんが、今や「積極的に応援する」とおっしゃってくれている。
そして、実際にいろいろと具体的に協力してくださっている。
それが、私たちにとって何よりの財産です。

本当にありがとうございます。

これからも頑張ります。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

※名前、メールアドレスは必須項目です。

災害時要援護者支援システムのご案内 学校ホームページの運営・支援のご案内

上記リンクをクリックした先で買い物をしていただくと当NPOに数%の手数料が入り、団体の活動費として活用されます。是非ともご協力ください。

About

2008年10月11日 17:27に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「愛? それとも絆?」です。

次の投稿は「酔う花?」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.35