笠井です。
私という人間は、どちらかと言うと「口より手」と言いましょうか、「うだうだと講釈並べている暇があったらパパッとやってしまったほうが早い」と考えるタイプの男でして、行動力という点ではどの方からも一定の評価をいただいているのですが、反面、何事も説明不足の傾向があって、他人から誤解されることもしばしば。誤解される度に痛い目にあっているくせに…、また始末の悪いことに「誤解するならどうぞ」と思っているところがありまして、とにかく善きにつけ悪しきにつけ典型的な[我が道を行く]型の人間と言われてまいりました。
そんな私が、曲がりなりにも障がいの娘の将来を按じてNPOを興し、そして昨年から福祉の世界の人達と関わりながら事業を行うようになった訳ですが、
福祉の世界の人達に見受けられがちな「前置き(!?)の長さ」は、私のような粗雑な特攻型の人間にとっては、正直なところ、少し苦痛に感じることがあります。
もう二週間ほど前になりますが、新潟で福祉作業所ネットワークの会議がありました。
この日の会議には、新潟市内の福祉作業所10カ所以上が集まりました。
その中で私だけただ一人、長岡からの参加で、しかも福祉畑の人間ではなく、障がいの子どもを持つ親という立場での参加でありました。
そもそも、この福祉作業所のネットワーク…元を辿れば、私が仕掛け人的な役割を果たし、そして、先鋭&敏腕の福祉人・本多佳美さんの力を借りて実行しているものでして、
ネットワーク内では、皆で行う仕事を企業から請け負ってくるという営業の役割をこなしています。
会議の前半は、ワークショップ形式の意見交換の場。
ファシリテーター役はこの分野のプロ、昨年までNPOサポートセンターの事務局長だった金子洋二さん。
さすがの手腕で、参加者の本音を聞き出してくれてとても参考になった。
そして議論が進み、しばらくすると、いよいよ参加者の口から「施設の事情」についての発言が飛び出してきた。
福祉の世界には、私などには決して理解できない複雑な事情があるのでしょう。
しかし、問い掛けてみたくなった。
「どっちを向いているの?」と。
障がい者のほう!?それとも施設長のほう!?
あるいはもっと上の上部団体の理事長のほう!?
彼らは、それぞれに高い志を持って福祉に携わるようになったはずだが、その志を通すことが必ずしもできない状況に置かれているようでもある。
彼らにだって家族がある訳だから、家族の暮らしのためにはお金がなくては困る。だから、上司の顔色を伺ったり、施設長の方針に逆らえなかったり、世のサラリーマンと同様に、現場と上司との板挟みになって組織内での悲哀を味わっていることだろう。
事情は分からないではないが…
いろいろあるのでしょうが…
障がいの子を持つ親としては、障がい者のほうをもっと向いてもらいたいと、ただ、そう願うのみ。
福祉の上層部の人達がもっと障がい者のほうを向いてくれれば、現場の人達もそうなるはず。
そうなってくれないかなー。