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2004.7.13水害 救援活動日記

[長岡バイクサポート隊の隊長・住民安全ネットワークのスタッフ:谷井秀次の水害救援活動日記]

車の外に出るとまだ暗く、停電の為、周りの住宅はシルエット状態である。
闇に眼を凝らすと緊急車両の赤色灯・作業灯が見え、空には時折ストロボライトが点滅している。

姪の住所は、三条市南四日町2丁目なのだが、一回も行った事がない、車を運転しながら地図を頭にタタキ込み、目標物の見当は、つけて来た。ウエットスーツを着込みながらも最悪の状態しか想像出来ない。携帯で連絡し、今着いたから安心しろ、泣くなと怒鳴りつける。

準備をしていると眼が慣れたのと、少し明るくなったので周りを見渡す、私が車を止めた場所は道路部分が高く、市街地は低いので住宅の一階が水没し、大型車両の上部だけが出ている。

・・泥水の中から、何かがこっちへ来る・・何だろうと近くに行くと、水から頭だけ出した人達が こっちに向かって延々と行列状態で避難して来る。子供を肩車・荷物は殆どがスーパーの袋一つだ。
膝位の水深まで来ると安心感からか、バタバタ倒れ込む、それと同じくして、頭上にはヘリコプターが飛び交い救急車と消防車が数台到着し、怒号が飛び交い戦場のような光景である。
傷病者は病院搬送、私も泥水の中に入り、かなりの数を救急車まで運んだ。
避難者共通のケガは、膝から下の打撲・擦過・切り傷等、ブロックにぶつかったり・側溝におちたり、裸足の避難者も多数目にした。
懸命の救急隊員と共に救助中の私の近くで、携帯カメラでこの惨状を笑いながら撮っていた数人を怒鳴りつけた!!!
消防隊員が、船外機を装備したボートを準備している。

この場所でとても悲しい事があった・・
首まで泥水に浸かり避難して来る人達の中に異様な格好をした女性が一人、頭から泥だらけになり両手でシッカリと何か抱いている。私が大丈夫ですか?と声を掛けても返事もしない、焦点も合ってない。
首から下げていたのは、真っ白な布で包まれていただろう骨箱であった・・・涙が溢れた・・

姪の救助に向かう準備中、ゴムボートに乗った男の人が帰って来たので様子を聞くと、まだかなり流れがあり危険との事、ボートを借りて偵察?に出てみたが、流れが強く借り物のボートを破損しかねないの
で約束の場所に揚げる。ボートの所有者である、燕市の高橋さんには感謝しております。

私のボートにロープ数種・ハーネス・ナイフ(セレーションタイプ等)・ライフベスト等積み込み、濁流の中に体を沈める、スーツと肌の間に泥水が染みてくる。水面下10センチのグローブをした手が全く見えない。
水中障害物でボートを傷つけると使えなくなるので、ロープを手首に巻き泳ぎ出す。
障害物・漂流物はまっさきに体でブロックし、ボートを守りながら泳ぐ、刺激臭で涙が出る。
刺激臭=トイレ・下水臭ではなく、ガソリン!!!
泳いでいると、車の屋根が足ヒレにガンガン当たる、何百台も水没しているのだろう。
冷蔵庫・ポリタンク・家具類・タイヤ・樹木・ETCと何でも流れてきて、容赦なく私にぶつかり、農作業用のナイロンロープ等絡んでくる。濁流で見えないので、感でナイフで引き切る。
あまりのガソリン臭にクラクラして来た。 

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2008年08月24日 11:26に投稿されたエントリーのページです。

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