「おい! 何やってるがぁ〜!
八方台の駐車場で星を見ていたら、突然怒鳴られました。
気が付くと、いつの間にか私は十数台のバイクや自動車に取り囲まれていました。
大きな天体望遠鏡が彼らには異様に映ったのでしょう。
「星を見ているんですよ、よろしかったらどうぞ」
さっき私に怒鳴った若い男性が、近づいてきて望遠鏡を覗きました。
「うぉぉっ! 何だ、これは!」
望遠鏡の視野の中に入っていたのは土星でした。
すると他のメンバーも我先に望遠鏡に群がってきました。
「どこから覗くんだ」
「うわぁ、マジすげぇ」
「お前ら、こわすなよ」
いつの間にか最初に望遠鏡を覗いた男性が他の仲間を仕切っています。
行儀良く一列に並んで望遠鏡を覗く姿と、さっきまでの雰囲気のギャップが凄い。
まるで同じグループとは思えませんでした。
「朝までみているんですか?」
いつの間にか敬語で話しかけられています。
「朝方に昇ってくる彗星を待っているんです」
「お邪魔してすいませんでした」
全員が土星を楽しむと、リーダー格の男性が礼を言って、メンバーは全員その場を去っ
て行きました。
あたりはまた静かな闇に包まれました。
その時、凄い勢いで一台のバイクが戻ってきました。
さっきの男性でした。
「暖かいコーヒーでも飲んで頑張って下さい」
彼の手には熱い缶コーヒーが握られていました。
私が星を見に行くのは主にライフワークである彗星の観測のためです。
でも、心のどこかでこんな人と人との出会いを期待しているのかもしれません。
私が星を見に行くのは主にライフワークである彗星の観測のためです。
でも、心のどこかでこんな人と人との出会いを期待しているのかもしれません。
この度、こちらにブログを開設させて頂くことになりました。
自己紹介はブログのなかで少しずつさせて頂こうと思っています。
どうぞよろしくお願いします。