消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。
「チャイルドシートを運んでいたところ、可動部品に右手中指を挟み、第一関節より先を切断した。商品に問題がないか調べてほしい。」という依頼を受けました。
当該品は、幼児や子供を自動車に乗車させる際に、安全を確保するため身体を座席に固定するチャイルドシートでした。サポートレッグと呼ぶ、シートを安定して設置するためのL字型の可動部品がついており、折りたたんで収納できるようになっていました。
サポートレッグが収納及び設置した状態で固定されるように、サポートレッグのパイプが収まる溝には突起が設けられており、押し込むと、「カチッ」という音とともに固定されました。
相談者の申し出に基づき、チャイルドシートを持って回転させたところ、サポートレッグを固定した状態では、サポートレッグが動き出すことはありませんでした。しかし、サポートレッグを固定していない場合には、回転を停止すると同時にサポートレッグが勢いよく動き出し、サポートレッグを収納する溝部に勢いよく収まることがわかりました。
以上、当該品は可動部品(サポートレッグ)が固定されていなかったことに加え、底面にあるサポートレッグの収納溝に手をかけた状態で運んだため、サポートレッグと収納溝に指が挟まれて、切断したものと考えられました。
なお、取扱説明書に正しい持ち方が記載されていたほか、別添の警告書には、警告マークとともに、サポートレッグを収納する際に手指を挟まないように注意することや、持ち運び時の注意として「本体底面、およびサポートレッグ可動部に手指をかけると指が挟まれるおそれがあり、大変危険です。」との記載がありました。
メーカーである株式会社カーメイトは、自社ホームページに「重要なお知らせ」として指はさみの危険に対する注意喚起文を掲載するとともに、ユーザー登録された客先へホームページと同内容の注意喚起文、追加説明書、本体貼り付け用の注意喚起ステッカーの送付を行いました。
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20150618_2.html