ジェネリック医薬品(後発医薬品)をご存知ですか?
新薬は、長い研究開発期間を経て、安全性・有効性を確認し、国の認可を受け発売されています。先発医薬品です。この特許期間が終わると、他の企業も同じ有効成分の薬を作れるようになります。これが後発医薬品、つまりジェネリックです。メリットは、開発研究のコストが抑えられるので、価格は新薬の2~7割と、格段に安くなります。
◆日本で利用が進まないワケ
ところが、日本ではジェネリック医薬品の利用が進んでいません。公的保険制度のないアメリカでは薬の9割がジェネリック医薬品、ドイツでは8割、イギリスでも7割なのに対し、日本では4割。
理由のひとつに、医療関係者がジェネリック医薬品の品質や安定供給などに不安を感じていることがあるといわれています。そこで、医療費の軽減のため、厚生労働省はジェネリック医薬品の使用を促進することにしました。
◆医療費負担を減らす効果
生活保護者受給者の医療費は全額公費負担となりますが、それがじつは保護費用全体の半分にあたります。その中で薬代が約2,000億円ですが、ジェネリック医薬品を使えば、その金額を減らせるのです。
各自治体は医療機関や薬局に、ジェネリック医薬品への切り替えを促進していますが、結果は都道府県によってばらばらです。
そこでついに厚生労働省は、国全体としてのジェネリック医薬品の数量シェアを、平成30年3月末までに60%以上にあげるという具体的な数値目標を設定しました。
◆ジェネリック医薬品を使うには
まずお医者さんに「その薬をジェネリック医薬品にしてもらうことはできますか?」と聞いてみましょう。
次に、薬剤師に処方箋を渡すときに「ジェネリック医薬品にできますか」と相談してください。お医者さんが処方箋の「変更不可」という項目をチェックしていなければ、ジェネリック医薬品に変えられます。
薬局の外に「ジェネリック医薬品を扱っています」という表示をみかけることが増えましたが、それは薬局でも薬を選べるということだったのです。有効成分が同じジェネリック医薬品でも、価格に差があるものもあります。
◆利用者9割!アメリカの場合
アメリカのFDA(米国食品医薬品局)は、昨年、注意欠陥多動障害(ADHD)のジェネリック医薬品の二つは、患者によって効果が現れるのが遅くなる可能性があると発表しました。
当局は二つの会社に対し、半年間製品を市場から回収し、改善するように命じています。この例からもわかるように、アメリカにおいてジェネリック医薬品が9割も使われているのは、安心な環境が整っているからだ、ともいえるのです。
国内でのシェアが、6割になるとき、ジェネリック利用者の満足がより高くなることを期待しています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150306-00000007-mocosuku-hlth