ウオーキングより効果が高くジョギングよりきつくない「インターバル速歩」。ゆっくり歩きとはや歩きを交互に繰り返すと生活習慣病の改善や筋力、持久力の向上が期待できる。
1.中高年におすすめ インターバル速歩
インターバル速歩とは、ゆっくり歩きとはや歩きを数分間ずつ交互に繰り返す運動です。ウオーキングより効果が高く、ジョギングほどきつくないので、特に体力が少ない人に向いています。中高年を対象に5か月程度インターバル速歩を行った効果を調べたところ、体力が少ないグループでは体力が20%上がり、高血圧、高血糖、肥満も約20%改善しました。
インターバル速歩を行うと、1日目から「下半身がポカポカする」などの効果が現れます。また、「はや歩き1日合計15分を週4日(=週60分)」を目安に行うことで、2週間目に「肥満の人では体重が1kg程度減少」、1か月で「歩くのが楽になり姿勢がよくなる」「よく眠れるようになる」などの効果が実感できます。気軽に始められる運動ですので、ぜひ日常生活に取り入れてみましょう。
2.始める前に十分にストレッチを
●アキレス腱[けん]伸ばし ※ 左右それぞれ10秒間
片方の足を大きく前に踏み出し、重心を前に移す。後ろの足のかかとを床につけて、ふくらはぎからアキレス腱を伸ばし、そのまま10秒間保つ。
●太ももの前のストレッチ ※ 左右それぞれ10秒間
片方の足首を同じ側の手で持ち、お尻のほうへ引き寄せる。ひざをしっかり曲げて、太ももの前側を伸ばし、10秒間ほど保つ。
●背中のストレッチ ※ 左右各5回、合計10回
片方の腕を前から上げる。耳の後ろ側に触れるくらいで止めて、ゆっくり下ろす。
●股関節のストレッチ ※ 左右それぞれ10秒間
両足を大きく左右に開き、両手は両ひざの内側に置く。片方の肩をぐっと内側に入れて股関節を伸ばし、そのまま10秒間保つ。
3.インターバル速歩をやってみよう!
初めて行う際の注意
・生活習慣病や心肺機能の異常を指摘された人は医師に相談する
・空腹時には行わない
・水分の補給に気をつける
・動きやすい服装や靴で行う
【1】 正しい基本姿勢を身につける
(1)両手を真上に上げ、おへそを伸ばすイメージで5秒間数える
(2)両腕を自然に下ろし、視線は遠くを見る
インターバル速歩は、正しい基本姿勢で行うことが重要です。悪い姿勢で行うと、バランスをとるためにひざや腰に負担がかかり、運動を続けられなくなります。歩行中に姿勢が崩れるときは、両手を上に伸ばして姿勢を正しましょう。
【2】3分間ゆっくり歩く
基本姿勢からゆっくりした速度で歩き始めます。手はグーにせず、ひじを後ろへ引きながら腕を振り、かかとから着地して歩きましょう。
【3】3分間はや歩きをする(※ はや歩きがきつければ、1~2分間でもよい)
歩幅をいつもより大きくとり、ややきついと感じる速度(全力の70%くらい)で歩きます。『上を向いて歩こう』の曲のリズムに合わせると、ちょうど良いペースを保てます。すべて大股で歩くのがきつい場合は、3歩目を大きくするように歩くとよいでしょう。
【4】2~3を繰り返す
【5】クールダウンにストレッチを行う
☆ 詳しくは、
きょうの健康テキスト 2015年1月号に詳しく掲載されています。
※2015年1月現在の情報です。
NHK「きょうの健康」2015年1月29日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20150129-h-001.html