骨粗鬆症(こつそしょうしょう)による骨折経験のある60歳以上の女性のうち、6割近くがすぐに骨折したとは気付かなかったことが、日本イーライリリーの同症に関する意識・実態調査で分かった。背中や腰の痛みなどの症状は骨粗鬆症と結びついていることが多く、早めの受診が必要だ。
調査結果によると、76%が「骨折で寝たきりになってしまうことへの不安」があると回答。24%は「骨粗鬆症による骨折経験あり」と答え、そのうちの57%が「初めて骨折したとき、すぐに気付かなかった」と答えた。
受診前から同症を疑った人は14%。受診前に「背中の曲がり」を認識していた人は20%、「背の縮み」は79%、「腰痛」は61%。多くの人が骨折のサインを認識しながら同症を疑っていなかった。
診断のきっかけは、「健康診断」「異なる疾患で受診」「腰の痛みで受診」などが7割を超えた。
現在、同症の国内推計患者数は約1280万人といわれ、患者は骨折リスクがある。寝たきりの要因になることから早期発見と治療が重要だが、気付かない場合も多く、治療中の患者数は200万人程度にとどまっている。
調査を受け、名戸ケ谷病院(千葉県柏市)の大江隆史院長は「ボキッと折れるのだけが骨折ではない。背の曲がりや腰の痛みなどは“いつのまにか骨折”かもしれないと認識し、適切な治療を受けてほしい」と呼びかけている。
調査は平成26年12月、医療施設で同症と診断された全国の60歳以上の女性515人を対象にインターネットを通じ実施された。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/living/sankei-lif1502130014.html