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職場にノロウイルス感染者が発生したら

■流行はほとんどがヒト感染

冬にはノロウイルスによる急性胃腸炎が多く発生します。この病気、夏季は少ないのですが、11月から増加しはじめ12月~1月にピークになり、2~3月まで続きます。

カキなどの二枚貝が原因のように言われています。海水にいるノロウイルスがこれらの貝にとりこまれて濃縮されて貝の体内に存在することは確かですし、カキを生食するのは主に冬季ということも流行がこの時期に集中している原因かもしれません。

しかし、実際の流行はほとんどがヒトからヒトの感染のようです。すなわち、ノロウイルスに感染して急性胃腸炎を起こした人を看護したり吐物や糞便の処理をした時に、人の手を介して二次感染する場合です。

このウイルスは結構強力で少量でも感染能力があるばかりか、乾燥にも強く12日以上前にノロウイルスに汚染されたカーペットを通じて感染が起こったこともあるそうです。また症状がとれて治ったと思われる人からも1週間、時には1カ月も糞便からウイルスが排泄し続けるということですから、治った人もしばらくの間は他人に感染させない注意が必要なのです。これが一番肝心なことなのかもしれません。

症状は水様下痢、吐き気、嘔吐、腹痛、37.5℃くらいの発熱などです。普通の人ならこの症状持続期間は1日半か2日くらいでその後は快方へ向かいます。そして後遺症などを残すこともなく自然に治ります。しかし、子供や高齢者は時に脱水症状から重症化したり、誤嚥すなわち吐物を喉に詰まらせて窒息して死に至ることもあります。

■下痢止めを使うとノロウイルスが身体に留まる

治療は、ノロウイルスに対する特効薬はありませんので対症療法を行います。脱水に水分と栄養の補給が主体になります。むやみに下痢止めを使うのは、ノロウイルスを身体に留めておくことになり炎症を長引かせることになりよくありません。

梅雨時期から夏秋にかけてのいわゆる食中毒シーズンではないので油断しがちの時期ですが、食品に対する注意は重要です。ノロウイルスは熱には比較的弱く、85℃で1分間の加熱で感染性はなくなります。子供や高齢者には加熱した料理を用意しましょう。

調理器具は洗剤で洗浄した後、塩素系漂白剤の次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)で浸すようにするとウイルスは失活します。次亜塩素酸ナトリウムは金属には良くないので熱処理とうまく使い分ける必要があります。消毒用のアルコールはあまり効果がありません。

患者の吐物や糞便の処理は使い捨ての手袋を使ってください。家庭では使い終わった手袋は密閉して焼却処分に廻します。医療機関では感染性廃棄物として適切に処分されるはずです。

特に吐物は細心の注意が必要です。ペーパータオルで静かに飛び散らないように拭き取ります。しかし、単に拭き取るだけでは不十分で、その後次亜塩素酸ナトリウムで床を浸すようにして拭き、さらに水拭きします。乾燥した吐物や糞便に居るウイルスは容易に空気に漂い感染源になります。作業にはマスク着用が望ましいと思われます。

■トイレットペーパーは十分な厚みにして使う

感染を広げないためもうひとつの手段は手洗いです。食品を取り扱う人、調理をする人は確実に手を洗って下さい。洗うと濡らすは大違いで、短時間に確実に手が洗える方法は以前の本シリーズで紹介しました(「かぜ・インフルエンザの予防は手洗いが一番」)。

問題なのは手を洗うタイミングです。ノロウイルスに限らず胃腸系の伝染病は細菌やウイルスなどの病原体が糞便に排泄され、それが手を介して他に伝染していくのですが、患者自身の排便後の処理に問題があることがあります。

まず、トイレットペーパーは十分な厚みにして使いましょう。そうしないと、最近の高級なものは吸湿性が抜群にいいので、特に下痢など水分の多い場合はすぐ浸み通ってしまいます。早い話が直接手でお尻を拭いたのと同じことになります。紙質にもよりますが青いインクをトイレットペーパーに一滴落とすと10枚重ねまでは浸みるということです。

病原体が付いた手で身支度をしてからトイレの個室を出て手を洗ったとしても、その前に自分の衣服と水洗のレバー、個室のカギやドアノブには病原体を付けていますので、次に使う人に病原体が渡たるチャンスを作ったことになります。できればトイレットペーパーを使ったすぐ直後に手を洗えると一番いいのですが・・・。

(カラダに嬉しい豆知識「Dr.鷲崎の健康エビデンス」)

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150113-00000000-fukkou-hlth

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