政府は9日、親や祖父母が子や孫に将来の結婚や出産、育児関連の資金を贈る場合に相続税がかからなくなる制度の新設を来年度税制改正で目指す方針を明らかにした。現在は教育資金贈与を非課税にする制度があるが、これとは別に新たな枠組みで創設する方向で検討する。高齢者から若年層世代への資産移転を通じ国内消費の活性化につなげる狙い。来年度税制改正大綱への盛り込みを目指す。
政府が創設を検討する結婚や出産を支援する非課税制度は、親や祖父母が金融機関に作った専用口座にあらかじめお金を預けておけば、子や孫1人につき一定額を上限に贈与税がかからなくなる仕組み。この上限となる非課税枠について内閣府は「1500万円」と求めている。14日の衆院選後の税制改正作業で結論を得るが、この恩恵を受けられる期間は2~3年の時限措置となる可能性が高い。
この制度によって親や祖父母からまとまったお金を贈与された子や孫は、挙式や出産費のほか、乳幼児の治療費、保育費などあらかじめ決められた目的に合致すればお金を使用できる。
制度の利用期間は、孫や子供が一定年齢に達した時点とする方向で検討するが、政府内には50歳になった時点で終了とする案がある。親や祖父母が贈った資金を子や孫が期限内に使い切れない場合、使い残し分には贈与税が課税される。
同様の制度としては孫に教育資金をまとめて贈与した場合、1500万円まで贈与税が非課税となる制度が2013年4月から導入されており、利用が着実に広がっている。日本の個人金融資産の半分以上を占める高齢者から若年層への資産移転が進めば、景気下支え効果も期待される。このため、内閣府や金融庁が結婚や育児関連資金贈与の非課税制度創設を求めている。
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