[映画.com ニュース]命をめぐるドラマを題材にし、40万人以上を動員した感動のドキュメンタリー「うまれる」のシリーズ第2弾「うまれる ずっと、いっしょ。」が11月22日公開する。女優の樹木希林がナレーションを担当し、家族が背負う重いテーマを、笑いあり涙ありの人間味あふれるタッチで映し出す。自身もひとりの父親として、家族づくりに向き合う豪田トモ監督が撮影を振り返った。
映画は「家族のつながり」をテーマに、血縁のない息子との関係に悩む父親、愛する妻を亡くした夫とその子どもたち、重い障害を持って生まれてきた息子を育てる夫婦ら3組の家族の姿を通し、命の尊さや家族の絆、幸せのあり方について考える。
「僕は長い間、親に愛されているという感覚を持てず、あまり良い関係を築けずにいました」と告白する。結婚や子どもを持つことにまったく興味を持っていなかったそうだが、“子どもは親を選んで生まれてくる”という考え方に出合い、自身の親子関係の改善を目的に2010年に発表した前作「うまれる」を製作した。
約2年をかけ100組近い家族の取材・撮影をし、「様々な環境の中で命が生まれ、育まれていく姿を見させていただくうちに、自分も祝福と感動の中で産まれ、愛されて育てられてきたのかなぁと感じられるようになり、親という存在を理解し、受け入れ、そしてこんな事を言っていいのか分かりませんが、許すという事が出来ました」と振り返る。
映画を作ったことで親との関係が改善し、父親になりたいという思いを持ち始めた矢先に、パートナーでプロデューサーの牛山朋子との間に女児が誕生した。「しかし、小さく愛おしい命を目の前にした僕は、親である事、家庭を営む事が、自分が期待するほど簡単な作業ではないとすぐに気づかされました」と明かす。
いくらオムツ交換をしても、育児書を何冊読んでも、わが子が幸せな人生を送るために自分が出来る事が何なのか答えは見つからなかったと語る。「ある時、『子育てとは我が子が生きる手助けをすること、生きるという事は、生まれて、そして死に向かう旅路。だとすれば、親が明確な“死生観”を持つ事が、子どもを育てていく上でとっても大切な事なのではないか』と思ったのです」
そして4年の歳月をかけ、カメラを片手に様々な家族を追いかけ、「死」や「障害」など向き合いにくい題材にあえてピントを合わせた。時に辛く、苦しい行程だったが、「この映画を通して出会った様々なご家族のおかげで、人間として、親として、大きく成長させていただいたような気がします」と述懐する。そして最後に「映画を見ていただいた方、それぞれに、感じていただけることがあると信じています。あなたにとって、家族って何でしょう?」と呼びかけた。
「うまれる ずっと、いっしょ。」は11月22日シネスイッチ銀座ほか全国順次公開。
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