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生理のある女性の10人に1人は子宮内膜症!あなたは大丈夫?

子宮内膜症という病名を聞いたことがありますか?

現在の日本では、生理のある年代のうち10%程度、10人に1人は子宮内膜症であるといわれています。

生理のある女性の10人に1人は子宮内膜症!あなたは大丈夫?

厚生労働省が行った調査では、およそ13万人の患者さんが何かしらの治療を受けている、という結果も出ました。
子宮内膜症そのものは良性の疾患ですが、最も多い症状が“痛み”です。
ひどい生理痛だけではなく、骨盤内の臓器の癒着が起こると、排便時などに強い腹痛を感じるようになり、さらに進むと慢性的な腹痛に悩まされます。便秘や下痢をくり返すこともあります。
また、卵巣の中に血液が溜まって“卵巣チョコレートのう腫(卵巣内にチョコレートのような血液のかたまりが溜まる)”ができることもあります。

ここでは、子宮内膜症とはどの様な病気か、その最新事情もあわせてご紹介します。

◆子宮内膜症とは?

子宮内膜症とは、子宮の内側にしかないはずの子宮内膜によく似た細胞が、子宮内以外のさまざまな場所に勝手に発生する病気です。
骨盤内に発生しやすく、特に多いのは腹膜、卵巣、ダグラス窩(子宮と、直腸の前にある腹膜との隙間)です。一度に複数の場所に発生することもあります。
前回の生理が終わると、卵巣では次の排卵に向けて卵子が成長します。それにあわせて、子宮内膜も妊娠に向けての準備始まります。子宮内膜は月経後から段々と厚くなり始め、次の生理が始まる直前まで増殖し、妊娠が成立しやすい環境を整えていきます。 

この時点で妊娠が成立していなければ、子宮内膜が剥がれ落ちて子宮の外に流れ出ます。これがいわゆる生理(月経)です。
しかし子宮内膜症があると、この子宮内膜の増殖と剥離(月経のような出血)が、子宮以外の場所で繰り返されます。子宮内で繰り返される場合には膣から流れ 出ることができますが、子宮以外の骨盤内などで増殖・剥離を起こした場合は体の外へ流れ出ることができず、通常であればみられない出血が体の中に留まります。
これが原因となって体の中で炎症を起こすと、骨盤内の臓器が癒着(臓器同士がくっ付いてしまうこと)を起こします。こうなるとお薬で治すことは難しく、手術などで治す必要があります。

◆子宮内膜症は増えている?

昔の女性は初産年齢が早く、一生のうちでも多くの子どもを出産しました。
およそ初経の年齢で結婚し、すぐに子どもを産み、その後も何度も妊娠・出産をくり返したため、一生のうちの生理回数は、40~50回程度であったといわれます。

子宮内膜症は生理のたびに不要な血液が体の中に溜まることで悪化しますが、妊娠・出産の間は生理が止まります。つまり子宮内膜の増殖・剥離も一旦お休みすることになるため、子宮内膜症も一時的に治まることができました。次の生理が始まるとまた子宮内膜症も進みますが、すぐに次の妊娠・出産を経験することで、また治まっていたのです。

しかし現在では、初経年齢の早期化と初産年齢の高齢化がすすみ、また女性が一生のうちに産む子どもの数も1人か2人、中には妊娠・出産を経験しない人もいます。

仮に初経年齢が12歳で、50歳まで月経があるとすると、38年間で年間12回ですから、およそ450回くらいの生理を経験します。この間に子宮内膜の増殖・剥離をお休みできる期間は2人出産したとしても3年程度です。現在では、子宮内膜症が一時的にでも治まる期間が非常に短いことが分かります。

生涯の生理回数が増えたことが、卵巣がんや子宮内膜症、子宮筋腫の増加や若年化と関係していると言われています。

◆子宮内膜症の原因は?

子宮内膜症の原因にはいくつかの説がありますが、代表的なものは、月経の時に子宮内膜を含む血液が卵管を逆流することで腹腔内にこぼれ、これが卵巣や子宮の外側を含む骨盤内の臓器に移植されるという説です。最近の研究ではこの現象は95%の人に見られることが分かっています。

多くの場合は自分の免疫力によって他の臓器に移植されないように出来るのですが、免疫力に何らかの問題がある場合はこれが上手く処理できず、子宮内膜の細胞が他の臓器に移植されてしまうと考えられています。

◆子宮内膜症は遺伝する?

原因が未だはっきりしていないため遺伝との関係も難しいところですが、子宮内膜症の人はその母親や姉妹も子宮内膜症であるという傾向があり、また母親が子宮内膜症だった人が発症すると重症化しやすいという傾向もあるようです。

◆ひどい生理痛は子宮内膜症のサインかも?

子宮内膜症の主な症状は、“痛み”で、最も代表的なものが強い生理痛です。

ある調査では、子宮内膜症のおよそ90%の人が強い生理痛を感じている、というデータがあります。子宮内膜症は生理のたびに状態が悪化していきますので、「前よりもだんだん生理痛がひどくなってきた」と感じるようであれば、子宮内膜症を疑った方が良いかもしれません。

また、生理前から生理後まで痛みが続く、生理時以外の慢性的な腹痛、排便時の痛み、性交時の痛み、腰痛や頭痛なども子宮内膜症の特徴的な症状といえます。 生理痛は子宮が強く収縮することと、子宮内膜症の出血が腹膜を刺激することで起こります。

この他、月経過多(生理時の出血量が多い)、便秘や下痢、月経時にレバー状のかたまりが出るといった症状も良く見られます。

生理時の痛みというのは、他の人と比べることが難しく、自分がどれ位ひどいのか、というのが分かりにくいともいえます。

生理時に鎮痛剤が必要、鎮痛剤を飲まないと日常生活や学校生活・仕事にいくことが難しいかどうか、というのを一つの目安とすると良いでしょう。
また、鎮痛剤を飲む回数が年々増えているような場合も、子宮内膜症を疑った方が良いでしょう。

(監修:有秋台医院 副院長 医学博士 鶴岡信栄先生)

MocosukuWoman編集部

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