近年、高齢者の消費者被害が多発しています。国民生活センターでは、敬老の日(9月15日(月曜))にちなみ、9月16日(火曜)、17日(水曜)に「ねらわれてます!高齢者 悪質商法110番」(以下「高齢者110番」という)を実施しましたので、その結果を報告します。
「高齢者110番」の実施概要
- 名称:
- ねらわれてます!高齢者 悪質商法110番
- 実施日:
- 平成26年9月16日(火曜)・17日(水曜)(受付時間は10時~16時)
- 場所:
- 国民生活センター相談情報部(特設の電話回線を設置して実施)
- 対象:
- 契約当事者が60歳以上の消費生活相談全般
- ※家族や周囲の方からの相談も受付
「高齢者110番」の集計結果
相談件数
9月16日(火曜):31件
9月17日(水曜):20件
2日間合計:51件
主な商品・サービス
詐欺的な投資トラブル(「買え買え詐欺」を含む)が最も多く、光回線やプロバイダ等の通信契約に関する相談も目立ちます。
内容 | 件数 | 割合 |
---|---|---|
合計 | 51 | 100.0% |
未公開株、社債、ファンド等の詐欺的投資トラブル | 8 | 15.7% |
光回線、プロバイダ等の通信契約 | 4 | 7.8% |
有料情報サイト利用料の請求 | 3 | 5.9% |
生命保険 | 3 | 5.9% |
山林等の不動産売買 | 2 | 3.9% |
コンピュータ関連機器等のリース契約 | 2 | 3.9% |
墓地 | 2 | 3.9% |
海外宝くじ | 2 | 3.9% |
その他 | 25 | 49.0% |
主な事例
- 【事例1】太陽光発電関連会社の私募債を購入したが解約したい
- 離れて暮らしている母の自宅に帰省した際、母から「金利のいい投資をした」と聞いた。詳細はわからないが、太陽光発電に関連する会社の私募債を購入したことがわかった。契約したのは最近のようで、100万円ずつ2回にわけて合計200万円を支払っている。
書面を見ると、途中で解約した場合には3割しか返金しないとある。母は、満期が2年の契約と思っているが、書面では6年となっている。不審な契約なので、解約して返金してもらいたい。 - (契約者:80歳代、女性、無職)
- 【事例2】プロバイダ契約をした当日中に解約したが、キャンセル料がかかると言われた
- 業者から電話があり、「プロバイダの料金が安くなる」と勧誘されてプロバイダの契約をした。「メールアドレスは今のままで変更はない」とも言われたが、それに伴って追加料金が発生するという説明はなかった。契約することに同意した後、「遠隔操作でパソコン内の設定を変更する」と言われたが、それは断った。電話をかけてきた業者についてはよくわからず、プロバイダ名しかわからない。
不審に思い、当日中に業者に連絡し「キャンセルしたい」と申し出たが、その後、業者から連絡があり、「キャンセル料約8,000円をクレジットカード決済で差し引く」と言われた。納得できないと思い、業者のカスタマーセンターに繰り返し電話をしているが、つながらない。 - (契約者:60歳代、男性、無職)
消費者へのアドバイス
- 詐欺的な投資勧誘には十分注意し、不審な電話はすぐに切りましょう
- 高齢者に増えているインターネットに関連した契約トラブルなどにも注意しましょう
- 留守番電話機能なども利用しましょう
- 少しでも疑問や不安を感じた場合は、すぐに消費生活センター等に相談しましょう
- 高齢者の消費者トラブルを防ぐためのポイントは、家族や周囲による“見守り”と“気づき”です
本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20141023_1.html