「夏になると毎年風邪をひく」「なぜか咳が止まらない……」など、自分の体調不良を不思議に思っている人はいませんか?夏バテ気味だし、風邪でもひいたのかも……と思い込んで放置してしまっては危険です。それってもしかしたら、風邪じゃなくて「夏型過敏性肺炎」かも!
今回は、誰でもかかってしまう可能性がある「夏型過敏性肺炎」の症状と対策についてご紹介します。
なんだか風邪っぽい!「夏型過敏性肺炎」の症状
「夏型過敏性肺炎」の主な症状は、咳と発熱、それから怠さ。ふつうの風邪の症状とよく似ているので、多くの人は病気だと気づかずに放置してしまいます。病院に行っても風邪だと診断されることも。
しかし抗生物質などで一時的に症状は改善されるものの、「夏型過敏性肺炎」の場合は、きちんと治さなければどんどん悪化してしまいます。
「夏型過敏性肺炎」には、急性型と慢性型の2種類があります。
急性型
風邪に似た症状を感じただけで終わります。軽度の場合は夏型過敏性肺炎の原因となるカビに触れなければ回復するそう。
慢性型
カビや病原菌から離れても症状が回復せず、夏になると毎年肺に反応が起こります。肺が萎縮し、息切れを感じることも。そのままにしておくと、最悪の場合は呼吸不全に陥り死に至ることもあるそうです。
日本に多い「夏型過敏性肺炎」の原因
夏でも湿度の高い日本の気候にカビはつきもの。夏型過敏性肺炎は、「トリコスポロン」というカビを吸い込むことで起こる病気です。細菌や埃などを吸い込む環境にいることで、その物質が原因となってアレルギー反応を起こし、肺炎になってしまうのです。
一方で、カビのもとから離れると症状はおさまります。自宅から離れて職場に向かうと症状がなくなることも。よって、自覚症状のないまま、自宅にある病原菌のカビはそのまま放置。病状は進行してしまうというケースも多いようです。
行き届いた掃除を!「夏型過敏性肺炎」の対策
カビは20~30℃の場所で繁殖しやすく、湿度が60%以上の環境で発生すると言われています。さらに、湿度80%以上では急速に増殖。そのため、浴室や洗面台などの水回りをこまめに掃除し、換気することを心がけてください。
カビはいろんなところに潜んでいます。「わりと掃除はしているほうだから大丈夫!」という人も、洗濯槽やエアコンの中まできちんとチェックして掃除してくださいね。
気づいた人は呼吸器科の専門医へ!
「夏風邪かな?」と少しでも気になったら早めに専門医に相談するのが◎。また、症状のない人でも日頃の生活に気をつけて、清潔なお部屋作りを心がけましょう。「夏型過敏性肺炎」とは無縁の、快適な夏を過ごしてくださいね!
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