肩こりを解消するには、肩の筋肉を緩めて伸ばすことが大切。緩めるには、ゆっくりやさしく肩をもむ。伸ばすには、「僧帽筋」と「広背筋」を意識してストレッチする。
1.肩こりが起こる仕組み
筋肉には毛細血管が網の目のように張り巡らされ、通常は血液から十分な量の酸素が供給されています。それにより、食物などから吸収したブドウ糖は“燃焼”して、活動のエネルギーとして使われます。
ところが、同じ姿勢を長時間とり続けるなど、肩の筋肉が緊張し続けると、筋肉が膨張して血管を圧迫し、血流量が減少します。すると十分な酸素が供給されなくなって、ブドウ糖がいわば、“不完全燃焼”を起こし、乳酸などの“疲労物質”が生じます。これらの物質は、肩こり独特の不快感や鈍い痛みを感じさせます。不快感や鈍い痛みがあると、人間は無意識に肩をすくめたりしがちです。すると、筋肉はさらに緊張し、硬くなっていくという悪循環を起こします。
2.肩こりを解消するには
肩こりを解消するためには、乳酸などの疲労物質を排出することが必要で、血行をよくすることで体外へ排出されやすくなります。血行をよくするためには肩を「緩める」ことと「伸ばす」ことです。
緩める
自分の手を使って、肩や首周りの筋肉をゆっくり押したり、ふるふると揺らしましょう。1~2分間を1回として、気づいた時にいつ行ってもよいです。動きのポイントは、「ゆっくり、やさしく」です。強くもみほぐすなど強い刺激を与えると筋肉が緊張し、かえって硬くなります。
伸ばす
ストレッチ運動で、まず肩こりを感じる筋肉である僧帽筋を伸ばします。肩に反対側の手を置いて、肩が動かないように固定します。頭を逆側に倒して手を置いた部分に伸びている感じや心地よさを覚えたら元に戻しましょう。反対側も同様に行います。
次に広背筋を伸ばすストレッチです。背筋を伸ばしていすに座り、手のひらは下を向けて、腕を斜め上に伸ばします(真横よりも20~30度前方に)。伸ばせるところまで腕を伸ばし、心地よさを感じたら元に戻します。反対側も同様に行います。
注意
いすは安定しているものを使い、平坦で滑らない場所で行いましょう。
☆肩こり解消法の詳細については、
きょうの健康テキスト 6月号に詳しく掲載されています。
NHK「きょうの健康」2014年6月11日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20140611-h-001.html