夏休みの宿題で大変なものと言えば、やはり自由研究。何をすればいいのか、途方に暮れてしまう子も多いですよね。何をするかを決められても、どうやってやるか考えるのも難しいものです。
小中学生のお子さんを持つ親御さんの中には、自由研究に苦戦する我が子にやきもきしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、手伝ってあげてはお子さんのためになりません。せっかくの自由研究、しっかりと完成させて、いい学びの経験にさせてあげたいですよね。
そこでここでは、親御さんが上手にお手伝いをするためのポイントを踏まえながら、自由研究をすすめる際のポイントについてご紹介します。発表のポイントまでまとめたので、自由研究はこれでばっちり。親御さんも一緒に楽しんで研究しちゃいましょう!
なお、研究をする以前にテーマが決まらない……という場合は、こちらの記事もご参考ください。
自由研究の進め方
研究を始める前に
自由研究は、安全面に気をつけながら、人に迷惑をかけないように進めるのが基本です。まずは、無理なく研究を進められるような計画を立てましょう。
また、どんな自由研究であっても、過程を詳細に記録しておくことをおすすめします。「大変だったこと、予想外だったこと」なども記入しておくと、まとめのときに役立ちます。事前に専用のノートなどを用意しておきましょう。また、発表の際に写真があると便利なので、カメラも用意しておくといいでしょう。
実験系の自由研究の進め方
- 対象を解剖・分解してつくりを詳しく見る
- 対象に変化を与えて他のものを作る
- 対象に変化を与えてその結果をデータとしてまとめる
といったものは実験系の研究になります。たとえば、
「10円玉がピカピカになるのはどの液体?」……オレンジの果汁やお酢や洗剤などで10円玉を磨いてみて、どの液体が一番きれいになるか調査する。
「エビの解剖実験」……エビを解剖して、人間の体と同じ臓器があるか調べてみる。どうして固い甲羅に覆われているのかについて考えてみるのも◎。
などが該当します。
実験は、仮説を立ててから検証するという流れで行うことをおすすめします。もしくは、何も考えずに実験をしてみて、疑問を本などで調べて、もう一度実験をしてみる、という流れもいいですね。
実験は一度で成功する方がめずらしいので、もし思ったような結果が出なくても成功するまで根気よく続けます。
結果は手順ごとにノートに記録して、写真も撮っておきましょう。その他、気づいたことや疑問に思ったことなども、何でもノートに書いておきます。
工作系の自由研究の進め方
- 自分で何かを作る
- 教科でいうと図工・家庭科にあたる
といった内容は工作系の研究になります。たとえば、
「ハンカチが一番濃く染まるのはどの植物?」……いろいろな植物や木の葉を集めて、白いハンカチを染めて、それぞれの染まり具合を比較してみる。
「いろいろな仕掛けで飛び出す絵本つくり」……厚紙でさまざまな仕掛けを作って、どの仕掛けが一番飛び出やすいか、どの仕掛けがどんなシーンに合うかなどをみてみる。
といったものが該当します。夏休みならたっぷり時間があるので、普段の授業では作れないような大作に挑戦してみるのも良いですね。
ただ作るだけではなく、そこから何か学びがあるように工作しましょう。作っている中での発見や疑問はノートにまとめておき、後で調べてみてください。
クラフトで作った作品はまとめといっしょに提出するので、きれいに保存しておきましょう。
観察系の自由研究の進め方
- 対象の生態を観察し、記録する
- 対象の変化を観察し、データを取る
といったものは観察系の研究になります。たとえば、
「デパートなどの意外なところで化石を見つけてみよう」……古い地下鉄の駅や老舗デパートには生物の化石が残っているので、場所ごとにどんな化石があるのかと、その化石の特徴を観察してみる。
「いろいろな雲を観察してスケッチしてみよう」……時間ごとに雲を観察し、スケッチする。さらにその雲のときにはどんな天気になるかなどの一貫性を見つけてみても。
などが該当します。手軽で挑戦しやすそうですね。
植物や生き物の観察記録なら半日から1日ごとに、気温や水量など短時間での変化が大きいものは1時間ごとを目安に観察します。ささいな変化でもノートに記録して、写真も撮っておきましょう。
調査系の自由研究の進め方
- アンケートを取ってデータをまとめる
- 対象の歴史、由来、特性などについて詳しく調べる
といったものは調査系の研究になります。たとえば
「お年寄りに昭和の暮らしについて聞いてみよう」……ご近所のお年寄りにアンケートを取るかインタビューするかして、昭和の生活について聞いてみる。「生活編」「家電編」などとカテゴライズしてみると分かりやすくておもしろい。
「近所の地名の由来を調べてみよう」……地元のお年寄りや役所の人に、地名がどうやってできたのか聞いてまとめる。絵に自信があればマンガでまとめるのもおすすめ。
などが該当します。お年寄りや土地に愛着を持つきっかけになるのでおすすめです。
アンケートをとるような調査なら、あらかじめアンケート用紙を作り、「はい」「いいえ」などで簡単に答えられるような質問と、任意で詳細を回答できるような欄を設けます。過去のデータを扱うような調査なら、図書館やインターネットで調べ、日付がなるべく新しいものを使うようにします。
インタビューをするときは、聞きたいことを忘れないように、小さいノートなどに質問をまとめておきましょう。
企業などにインタビューするときは、事前にメールなどで質問を送っておくと、当日インタビューがスムーズに進みますよ。
収集系の自由研究の進め方
- 同じカテゴリのものを複数集めて比較する
といった内容のものが収集系の研究です。たとえば
「ワカメにはいろいろな形がある」……ワカメを並べてみて、形のバリエーションを見てみる。形を星や人間などの何かに例えてみても。
「あちこちで土を集めて比べてみよう」……お庭や校庭や山など、いろいろな場所で土を集めて観察してみる。その土を好む植物や生物について書いてみてもおもしろい。
などが該当します。身近で気づきが多いのでおすすめです。
レアなコインなどは収集が大変ですので、身近にあるものを集めてみましょう。果物の種や木の葉なども、手に入れやすいのでおすすめです。
しかし、いくら身近なものでも、たくさん集めるには時間がかかります。早いうちから収集を始め、いくつ集めればいいのかの目標をしっかり定めておきましょう。
見学系の自由研究の進め方
- 工場などを見学し、気づいた点などをまとめる
というのが見学系の研究です。繊維工場や食品工場などは比較的安全ですし、おみやげがもらえることもあるので人気です。
見学をするときは積極的に参加して、分からないことは詳しい人にどんどん聞いてみましょう。そして聞いたことはすぐにメモをとり、まとめのときに役立てます。
結果をまとめて発表するまでのポイント
研究がまとめやすいのは模造紙?スケッチブック?
研究が終わったら、次は一番重要なまとめです。まとめの良し悪しで研究自体の評価が大きく変わってくるので、研究と同じくらい力を入れましょう。
研究をまとめるときは、模造紙・ノート・スケッチブック・アルバムのどれかを使います。一番多く用いられるのは模造紙ですが、最近ではスケッチブックなども人気です。
模造紙 | どんな研究にも。みんなの前で発表するときに便利。 |
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ノート | 観察・調査系の研究がまとめやすい。 |
スケッチブック | どんな研究にも。絵が上手な人に。 |
アルバム | 楽しく、デザイン性の高いまとめにしたいときに便利。 |
模造紙、ノート等それぞれに適した研究やメリット・デメリットがあるので、詳しくは下の記事を参考にしてみてください。詳しいまとめ方についてもご紹介しています。
読みやすさを意識してまとめよう
まとめには下の9項目をなるべく書くようにしましょう。
- 研究タイトル
- テーマに興味を持ったきっかけ
- 研究の目的
- 用意したもの
- 仮説
- 実験(調査)の方法
- 実験(調査)の結果
- やってみて分かったこと、反省点
- 参考にした本、サイト
いきなり大きな紙にまとめると、思わぬ余白があいてしまったり、後半に向かって字が小さく……なんていうことになりかねません。ですので、まずはノートなどに本番のようにまとめて、レイアウト決めをします。そこで親御さんがチェックして、バランスが悪いところなどがあればアドバイスしてあげましょう。
そして本番の紙にもまずは鉛筆で下書きをし、それからペンで清書します。また、画像のようにタイトルは青で、小見出しは緑というように黒以外の色はルールを決めて使うようにしましょう。
画像のように小見出しをつけてまとめるとすっきりします。文字だけだとシンプル過ぎるので、グラフや写真も貼って楽しんで読んでもらえる工夫をしましょう。
みんなの前で発表する
発表するときは、小見出しの順番どおりに進めて行きます。
早口にならないように気をつけながら、遠くの人にもはっきり聞こえるように話すように心がけます。指示棒などで説明している箇所をさしながら説明すると伝わりやすくなりますよ。そして最後に質問タイムを設けて、みんなに気になったことを聞いてもらいましょう。
いきなり発表本番に臨むのではなく、事前にリハーサルしておくと、本番でスムーズに発表できます。
これで受賞レベルの自由研究に!
ここでご紹介したやり方はあくまで一例ですが、みんなに一目置かれるような自由研究のためには、計画をしっかり立てて進めることが大切です。上記の方法も参考に、お子さんと親御さんで相談して整理しながら進めてみてくださいね。
(image by PresenPic)
(image by 筆者)