ここ30年、日本人の死因第1位に君臨し続けているがん。その中でも胃がんは、男女ともに上位を占める恐ろしい病だ。今回のORICON STYLEと朝日放送『たけしの健康エンターテインメント! みんなの家庭の医学』(毎週火曜午後8時放送※)のコラボ企画“おさらいニュース”では、そんな胃がんの予防に効果的と言われている2つの食材の健康効果についてお伝えする。
◆玉ねぎに含まれる“ケルセチン”に胃がん予防のヒミツが
長年、日本人の死因の上位を占めてきた“恐ろしい病”に効果がある2つの食材――。まずひとつ目は、「玉ねぎ」。松尾恵太郎先生(九州大学大学院 医学研究院 予防医学分野 教授)によれば、玉ねぎは胃がん予防に効果があるという。そんな胃がんを予防する食材として“玉ねぎが効果的”との研究結果が、世界各国で続々と報告されているというのだ。
胃がんを防いでくれるのは、玉ねぎに含まれるケルセチンという物質。そもそも胃がんとは、胃の粘膜の細胞ががん化してしまう病のこと。その最大の原因と言われるのが、ピロリ菌。ピロリ菌が胃に棲みついていると、活性酸素が大量に発生し、それにより傷ついた細胞が、がん細胞へ変化すると考えられている。ところが、玉ねぎに豊富に含まれるケルセチンは、増えすぎた活性酸素を中和し、無害化させる働きがあるというのだ。
そして注目したいのは食べる量ではなく、その調理法。実は玉ねぎに含まれるケルセチンは、調理法によって摂取できる量がかなり変わってくるという。松尾先生が薦める玉ねぎの賢い調理法は、2つ。1つ目は「切った後、水にさらさないこと」。ケルセチンは水溶性のため、水にさらすと成分が失われてしまうからだ。そしてもうひとつの賢い調理法は、「汁物に入れ、丸ごと食べること」。ケルセチンは水分に溶けやすいので、汁ごとすべて食べるスープやシチューなどにすれば、余すことなく摂ることができるのだ。
◆料理研究家・奥薗壽子さんが胃がん予防メニューを開発!
2つ目の食材は、ニンニク。1695名を2年間追跡調査した疫学論文では、ニンニクを1年で1.5キログラム以上食べている人は、まったく食べない人に比べると、胃がん発生リスクが50%も少ないことが確認されたという。その原因は、ニンニクから生成されるDATS(ダッツ)という成分。ニンニクを刻むと、独特の匂いと辛味成分の元となる有機硫黄化合物が大量に生成される。実はこの化合物の中にDATSが存在しており、これが人間の体内で傷ついた細胞に信号を送り、ガンに変化する前の細胞を自ら死に追いやると考えられている。
松尾先生が教えてくれた、ニンニクが効率よくDATSを生成できる2つ方法のうち、ひとつ目は、細かく切ること。刻めば刻むほど細胞内の成分は反応し合い、よりたくさんのDATSが生まれると考えられる。そして2つ目は、刻んだニンニクをすばやく油に混ぜてしまうこと。DATSが「脂溶性」という特徴があるため、油に混ぜてしまうことで空気中に分際しやすいDATSが失われるのを防ぐのだ。では、ニンニクをどのくらい食べれば、胃がんの予防が期待できるのか? 疫学調査によれば、1日あたりに換算すると約4g、つまり1片程度だ。
今回、胃がん予防の効果が報告されている2つの食材の摂取量は、毎日、玉ねぎ1玉とニンニク1片ということになった。そこで、番組では家庭料理研究家の奥薗壽子さんが「胃がん予防の効果が期待できる、玉ねぎ&ニンニクを使ったレシピ3品」を開発し紹介。どれも手軽に作れるメニューばかりなので、さっそく今晩から始めてみてはいかがだろうか?
※番組ケータイ・スマホサイトでは、「胃がん予防の効果が期待できる、玉ねぎ&ニンニクを使ったレシピ」の材料や詳しい作り方を紹介(※有料)。みんなの家庭の医学で検索!
【レシピ1】鶏の玉ねぎ煮
<ポイント>玉ねぎの繊維とは逆の横薄切りにすることで玉ねぎが溶けやすくなり、1玉無理なく食べられる。
【レシピ2】玉ねぎのお好み焼き
<ポイント>玉ねぎを大きめ角切りにすることで、独特の食感が楽しめ、無理なく食べられる。
【レシピ3】玉ねぎとハムのカレーマリネサラダ
<ポイント>縦切りで玉ねぎの食感を生かし、蒸し焼きにすることで辛みを飛ばす。
※5月27日(火)の放送は午後7時からの3時間SP。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140526-00000335-oric-hlth