外はコリコリ、中はネバネバとした不思議な食感のオクラ。なんと2000年以上も前から栽培されている古い野菜なのです。
もともとは観賞用で、食用とされたのは第二次世界大戦後だと言われています。そんな歴史のあるオクラには、さまざまな栄養素が含まれていますが、今回は胃の働きをよくする「ムチン」とよばれる成分に注目してご紹介したいと思います。
オクラに含まれる栄養とは?
オクラには、ペクチンとよばれる食物繊維が含まれており、便秘や下痢を予防・改善する働きがあります。
また、食物に含まれる糖分やコレステロールの吸収を抑制したり、血糖値の急激な上昇を抑え、血中の悪玉コレステロールを下げる働きをすることから、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病への予防効果が期待できます。
他にも、肌荒れや乾燥を防ぐβ-カロテンや疲労回復に効くビタミンB1、美白効果や疲労回復によいとされるビタミンC、貧血を改善する鉄分や骨や歯を強くするカルシウムなど、実に多くの栄養がバランスよく含まれているのです。
注目の成分「ムチン」の働き
今回注目したいのが、ネバネバの成分である「ムチン」。このムチンは、もともと涙や唾液、胃液などに含まれており、非常に保水力が高いのが特徴です。
ムチンには目の乾燥を予防したり、喉や鼻の粘膜を保護する作用があることから、風邪の原因となる細菌やウィルスの侵入を防ぎ、風邪を予防する効果があります。
また、ムチンには、胃の粘膜を保護する作用があるため、胃炎や胃潰瘍の予防や、すでに傷ついてしまった胃粘膜を修復する働きがあります。
オクラはストレス社会にオススメの野菜
何かとストレスが多い現代社会では、心理的な負荷がかかることによって胃に症状が現れる場合も少なくありません。特に、緊張や不安などが長く続くと胃酸が過剰に分泌されてしまい、胃酸が直接胃を刺激するので胃炎や胃潰瘍などが起こりやすくなります。
さらに、過度のストレスだけでなく、暴飲暴食や飲酒、喫煙などによってもダメージを受けやすい臓器です。そんな胃を保護してくれるオクラは、現代人にとって必須の野菜であると言えるのかもしれません。ぜひ、この機会にオクラを積極的に日常の食生活に取り入れるようにしましょう。
ちなみに、オクラの旬は夏なので、夏のオクラは特にオススメですが、秋冬でしたら長芋にもムチンがたくさん含まれていますので、その季節に合った旬の野菜からムチンを摂ってみてはいかがでしょうか。