この世の中には色々な“病気”があり、その多くは男女ともに共通しているものです。
しかしその病気にも男女差があるものもあります。
ここでは、甲状腺の病気、膠原病、メニエール病など、女性がかかりやすいと言われているな病気について簡単に解説します。
歌手の綾香さんがバセドウ病を理由に休業され話題となりましたが、バセドウ病は甲状腺機能亢進症の代表的な病気です。
甲状腺とは、“のどぼとけ”のあたりにある小さな臓器です。甲状腺は食べ物などに含まれる“ヨード”から甲状腺ホルモンを作りだし、分泌しています。
甲状腺ホルモンはとても微量なのですが、全身の臓器や細胞に作用し、食べ物からの糖分や脂肪分を分解してエネルギーを作りだしたり、カラダの成長を促す働きがあります。
しかしこの甲状腺が病気になり“甲状腺ホルモンが増えすぎる”場合、暑さに弱い、汗が多い、手が震える、動悸がする、疲れやすい、食べていても痩せる、という症状がみられます。
逆に“甲状腺ホルモンが少なすぎる”場合は、顔や手のむくみ、脱毛、物忘れ、寒がり、皮膚がかさつく、便秘がち、生理の量が増える、あまり食べないのに太る、という症状がみられます。
このほかにも甲状腺ホルモンの量に異常がなくても甲状腺が腫れてくる病気、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、バセドー病、橋本病など、甲状腺の病気はとてもたくさんあります。
受診する場合は内科や内分泌科などですが、甲状腺を専門に診てくれるところはあまり多くはありません。
“膠原病”とは1つの病気の名前ではなく、たくさんの病気をまとめてこう呼んでいます。いずれの病気にも共通しているのが“免疫の異常によって関節・筋肉・血管・皮膚などに異常な炎症を起こし、全身が障害される”ということです。どの膠原病も、原因が何だったのかは残念ながらはっきりとは分かっていません。
しかし膠原病を発症する要因として、病気にかかりやすい体質、環境因子、免疫の異常などが考えられています。膠原病は若い女性に多く発症することが知られています。例えばシェーグレン症候群あるいは全身性エリトマトーデスという病気は、およそ90%が女性患者さんなのです。
受診する場合、自覚症状によって最初に受診する科は変わってくると思いますが、膠原病であることが分かれば、膠原病内科、膠原病・リウマチ科などを標榜(挙げている)ところになります。
大学病院などでは専門外来があるところもありますが、数は多くありません。治療内容は病気の状態によって変わってきますので、一概にはいえません。
メニエール病とは、回転性のめまい(目の前が強くグルグルと回って見えるめまい)、難聴、耳鳴りなどの症状が連動して起こる病気です。1回のめまい発作は、およそ30分から長い時で6時間ほど続きますが、その頻度は不定期です。
精神的ストレスや過労がその発作の誘因になるといわれており、30代から50代で多く発症します。また、めまいに連動して特に低い音が聞き取りにくくなる難聴が起こります。
メニエール病の原因はまだはっきりとは分かっていませんが、内耳の発育不全、アレルギー、内耳に対する自己免疫(自分自身のカラダの一部をアレルギーの原因と判断してしまい、免疫力が働く状態)、ウイルスの感染などの説があります。一般的には男性よりも女性の患者さんが多いのですが、いわゆる“更年期のめまい”とは区別されます。
受診する場合は、めまいや難聴が一番の自覚症状であれば耳鼻科になるでしょう。精神的なストレスが大きい場合は、心療内科などを紹介されることもあります。
治療内容としては大きく急性期(最初に発症した時)と発作予防に分かれます。急性期ではめまいや吐き気に対するお薬による治療、鎮静などが必要になり、不安が強い場合には抗不安薬を使用することもあります。
難聴もある場合は、副腎皮質ステロイドなどによる治療も必要です。一旦落ち着いても、発作の予防策が必要になり、具体的には内服薬による治療や生活改善を行いますし、病気の状態によっては手術を行うこともあります。
(監修:有秋台医院 副院長 医学博士 鶴岡信栄先生)
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