飲料の中でも、世界でいちばん多く飲まれている“紅茶”。日本でも最近、消費量が30年前に比べて2倍以上に増え、新しいスタイルの紅茶店がオープンするなど、その人気はジワジワと上昇しています。しかし、実際に家庭で飲むとき、どんな茶葉を選び、どういう風に入れればおいしい紅茶になるのかわからないという人も少なくないのではないでしょうか。そこで今回、あることを守るだけで、スペシャルな紅茶を入れられる方法を伝授。ほかにも、飲むだけである能力がアップする紅茶の力。40年を経てよみがえった“幻の国産紅茶”など知っているようで意外と知らない紅茶の魅力とその楽しみ方を紹介しました。
■1つ守るだけでプロの味に! NEWゴールデンルールこれまでもたびたび、紅茶のいれかたのルールについては、伝えられてきましたが、今回、紅茶研究家の磯淵猛さんオススメの、新しいゴールデンルールをご紹介しました。
ポイントは、95度。お湯の温度が沸騰する直前に火を止め、95度のお湯を注ぐだけでいいのです。95度のお湯をポットに勢いよく注ぐと、茶葉の周りに空気の泡がつき、「ジャンピング」と呼ばれる現象をおこします。その「ジャンピング」が起きると、茶葉の中から味や香りの成分がほどよく抽出され、おいしい紅茶を入れることができるのです。
95度を見分ける方法※やけどに注意しながら、確認してください。
1.やかんのふたをあけ、浮いてくる“泡”を確認。90度で小さな泡が少し浮いているだけですが、95度になるとその泡の量が増えてきます。2.お湯の沸いている“音”を確認。90度では、『ポコ・・・ポコ』と小さく跳ねるような音がしているのが、95度になるとその頻度が早くなります。
そのほかのポイント・使用する水は、蛇口から出したばかりの新鮮な水道水を入れるのがオススメ。ペットボトルの水を使用する場合は、10分の1の量の水を別の容器に移し、ボトルをよく振って、水に酸素を含ませてから使用してください。・電気湯沸かし器で湯を沸かす場合、水を入れてすぐに沸かしましょう。一度沸かしたり、長時間、電気を入れたまま保存した湯は、水中の酸素が減っているため、適しません。・湯を入れたあとは、茶葉の大きさなどにもよりますが、3~5分蒸らしましょう。ティーバッグの場合は、ティーカップに入れて1分程度蒸らしてください。
<専門家>磯淵猛さん(紅茶研究家 30年以上紅茶文化の普及に尽力する日本の第一人者)著書:『30分で人生が深まる紅茶術』『紅茶の教科書』など多数(※ティーアドバイザー・小山弥生子さんも所属)
<取材協力>「海洋研究開発機構」小栗一将さん(研究員)
■コミュニケーション能力をUPさせる紅茶の力紅茶を飲めば、苦手な人との会話も自然と盛り上がる!?そんな秘められた力が紅茶にはあることが実験で判明しました。脳の血流を計る機械を装着し、紅茶を飲みながら30分間、自由に会話をしてもらったところ、前頭葉の左側「話す中枢」の部分と、中央の「話す意欲や積極性」をつかさどる部分の血流が活発化していました。その2つの部分が同時に活性化しているということは、コミュニケーション能力が上がっている証拠だと言います。杏林大学医学部の教授、古賀良彦さんが行った実験では、紅茶、緑茶、コーヒーの3つの飲み物を飲みながら10組のペアで会話をしてもらったところ、紅茶は、ほかの飲み物より脳の前頭葉が活発化していたことが判明しました。
<専門家>古賀良彦さん(杏林大学 医学部精神神経科 教授)
<取材協力>「奥田クリニック」
<映像提供>「ユニリーバ・ジャパン」
■ブーム到来?!国産紅茶の魅力紅茶の産地といえばインドやスリランカなどの国を思い浮かべる人も多いと思いますが、最近、人気が高まっているのが国産の紅茶です。今回、三重県亀山市で生産されている「べにほまれ」の紅茶について取材しました。明治から昭和にかけて国産の紅茶の生産が奨励されていた時期、亀山市でも良質の紅茶が生産されていました。特に戦後、亀山市で作られた「べにほまれ」の紅茶は、海外でも「ダージリンにも負けない香り」と称賛され、国内外でも高く評価されていましたが、輸入自由化の波により衰退。一度途絶えてしまいます。絶滅したと思われていた幻の木「べにほまれ」がよみがえったのは2年前。地元の生産者のグループによって4か所の畑が発見され、1年かけて整備されました。現在は、少ないながらも亀山市内の飲食店などで販売されています。再び世界に誇れる紅茶を作りたいという生産者の夢が紅茶の復活を支えました。
<「亀山産紅茶」の入手先など問い合わせ先>「三重県亀山紅茶」「亀山Kisekiの会(亀山べにほまれ紅茶復活プロジェクト)」
■アレンジミルクティーティーアドバイザーの小山弥生子さんに、この季節に合うフルーツとスパイスを使ったアレンジティーの作り方を教わりました。
【材料】・茶葉・・・8グラム(※「ディンブラ」を使用しました)・リンゴのスライス・・・3枚(※「王林」を使用しました)・カモミール、シナモン・・・適量・水・・・500ミリリットル・牛乳・・・200ml(※低温殺菌牛乳を使用しました
【作り方】1.ティーポットに茶葉、リンゴのスライス、カモミール、シナモンを入れお湯を注ぎ、3分間蒸らします。(※上記ゴールデンルールを守って作りました)2.(1)のポットに牛乳を注いだら、できあがり!
番組およびこのページは特定の製品・店舗を推奨するものではありません。製品・サービスの特性や使用上の制限、契約内容・条件などについては、各自におかれまして、メーカーや販売会社に十分ご確認ください。NHK「あさイチ」2014年3月26日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/asaichi/life/asaichi-20140326-a-001.html