「がん」と告げられ、よりよい治療を納得して選択するためにも有効な「セカンドオピニオン」。セカンドオピニオンを受ける際に大切な確認すべきポイントなどを紹介する。
1.セカンドオピニオンとは
セカンドオピニオンとは、がんなどの病気の治療を受けるにあたり、担当医とは別の医師の意見を聞くことです。治療に際しては、担当医から治療の方針や内容について詳しい説明を受けるのが基本で、そこで十分理解し納得できた場合はセカンドオピニオンを受ける必要はありません。一方、「治療に疑問がある」「手術が必要なのか納得いかない」「複数の治療を示され判断に迷う」などの場合には、よりよい選択をするためにセカンドオピニオンを活用しましょう。
2.確認すべきポイント
がんでセカンドオピニオンを受ける場合、担当医から受けた説明と同様に、「正確な病名」「がんの場所や大きさ、深さ」「転移の有無」「ステージ」などの説明が行われます。これらは、がんの状態を把握するうえで大事な情報で、ここから標準治療やそのほかの治療が決まり、治療効果や生存率、合併症や後遺症などのリスクも知ることができます。例えば胃がんの場合、部分切除と全摘手術の選択の目安となるのは、がんのできた場所です。胃がんでは、がん細胞は主に胃の下に向かって流れていくので、がんが胃の下部にできた場合には、下部だけを切除して上部を残すことが可能ですが、胃の上部にできた場合には、がんを確実に取り除くために全摘手術を選択することになります。
ほかのがんの場合には、手術だけでなく、抗がん剤治療や放射線療法が第一選択になることがあります。納得して治療を受けるためには、セカンドオピニオンも有効に活用し、がんの状態と治療法についてよく知ることが大切です。
3.セカンドオピニオンの手順
セカンドオピニオンを希望する場合は、まず担当医に話をし、自分で別の医療機関・医師を探します。各地域にあるがん診断拠点病院の相談支援センターや、国立がん研究センターのがん情報サービスのホームページなどで、情報が得られます。セカンドオピニオンを受ける病院が決まったら、担当医に、これまでの経過や検査結果などが記載された紹介状と、エックス線検査やCT検査などの画像データをもらいます。希望する医療機関への予約は本人が行うのが基本ですが、家族が代行できる医療機関も多くあります。予約の際は「受診方法」「診療時間」「費用」「必要な書類」などを確認しましょう。セカンドオピニオンを受ける際は、できるだけ家族など信頼できる人に同行してもらいます。また、「聞きたいことを箇条書きにまとめておく」「メモをとりながら受ける」などして時間を有効に活用しましょう。場合によっては、医師の許可を得て、説明の内容を録音することもできます。セカンドオピニオンを受けたあとは、治療の選択について、必ず担当医に報告してください。がんは命に関わる病気なので、説明しないまま医療機関を変えると、担当医は大変心配してしまいます。
セカンドオピニオンを受けるには、手続きなどの関係で2~3週間かかることもありますが、病状がよほど悪くなければ影響はありません。セカンドオピニオンは患者さんの当然の権利ですので、遠慮せず医師に相談しましょう。
NHK「きょうの健康」2014年2月17日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20140217-h-001.html