毎年この時期になると多くの人を悩ませる花粉症。今年の花粉は2月上旬から飛びはじめており、3月中旬には多くの地域でピークを迎えるそうです。目がかゆくてしかたがないとき、どのようにケアすればいいのでしょうか。道玄坂糸井眼科医院院長の糸井素純先生に伺いました。
■花粉を洗い流すなら「使い切りタイプのソフトコンタクト用点眼液」
「目がかゆいからといって、目をこすると刺激でかえってかゆみが悪化したり、目を傷つけたりする恐れがあります。また、『花粉を洗い流したいから』水道水で何度も目を洗うこともおすすめしません。目を保護している涙の成分を洗い流し、目が傷つきやすくなってしまうんです」(糸井先生)
洗眼液で目を洗うのはどうでしょうか?
「市販の洗眼液は防腐剤がしっかり入っていることが多く、目に負担をかけるため、できれば避けたほうがいいですね。どうしてもつらい場合は使い切りタイプのソフトコンタクトレンズ用点眼液がおすすめです。1回分ずつパッケージされ、防腐剤が入っていないため、目に負担をかける心配もありません。1回分で、目の表面についた花粉を十分洗い流すことができます」(糸井先生)
ただし、同じ目薬でも「目をすっきりさせるタイプ」は避けたほうがいいそう。
「 “すっきりクールタイプ”など清涼感のあるさし心地をうたっているものは、目をすっきりさせるための成分が刺激となり、長期に使うと慢性の炎症の原因となることがあります。市販の目薬を使う場合は花粉症用のものを選ぶのが鉄則です。ただし、かゆみは花粉症ではなく、目の乾燥(ドライアイ)が原因という可能性も考えられます。また、耳鼻科や内科で処方された目薬が合っていないケースもあります。目薬をさしても症状が軽減しない場合は、早めに眼科を受診することをおすすめします」(糸井先生)
■コンタクトレンズは「1日使い捨てタイプ」がおすすめ。メイクの方法も見直したい
気になるのがコンタクトレンズを使用している場合の花粉症ケアです。「花粉のシーズンはコンタクトレンズをつけず、メガネをかけたほうがいい」ともよく聞きますが、「メガネをかけたくない」「ライフスタイルを変えたくない」という女性は少なくありません。
「大切なのはコンタクトレンズを清潔に保つことです。ハードコンタクトの場合はレンズについた花粉が残らないよう、こすり洗いをしてから、しっかりすすぎます。ただ、ていねいに洗っても汚れを完全に取り去るのはなかなか難しいものです。花粉の多い時期だけ1日使い捨てタイプのコンタクトレンズを使うのも手です。使い捨てタイプであれば、1日ごとにレンズが新品になるので常に清潔な状態をキープしやすく、花粉症対策に役立ちます」(糸井先生)
また、何げなくしていたメイクが刺激となり、目のかゆみが増すこともあるとか。
「とくに気をつけたいのが、目のまわりで使うマスカラやアイラインです。マスカラを選ぶ場合は涙や目薬で溶けて目に入らないよう、ウォータープルーフタイプを選ぶのがポイント。アイラインは目の粘膜を覆わないようにまつげの生えぎわは避けましょう。また、まつ毛についたファンデーションやフェイスパウダーが目薬をさすときに目に入り、刺激になってしまうことも。目薬をさす前にメイクをおとせるとベストですが、難しい場合はしっかりと目を開け、メイク成分が目薬と一緒に流れ込まないよう気をつけましょう」(糸井先生)
(齋藤純子+ガールズ健康ラボ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140304-01850191-mynaviwn-hlth