接種後の重い副反応が報告されている子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)をめぐり、厚生科学審議会の検討部会は26日、引き続き審議を行った。接種勧奨の再開については、早ければ次回にも提示される報告書案を基に議論した上で、判断される見通し。【烏美紀子】
部会終了後、桃井真里子部会長(国際医療福祉大副学長)は、全身の痛みなどの副反応の原因とされる「心身の反応」が一般には分かりにくい病態であるため、「本人の気のせい」「わざと」など、誤って理解されやすいことを指摘。「そういう誤解をなくすために、どういうデータを示したらよいかというところに大変苦慮しており、(報告書の作成に)時間がかかっている」と説明した。
この日の部会では、「身体的・心理的の両面からのアプローチが必要」とされる心身反応の治療について、参考人の宮本信也・筑波大教授が説明した。予想しなかった痛みが強い不安の引き金になるため、強い痛みが伴うワクチンであることと、ワクチン接種のメリットについて接種前に丁寧に説明することが重要だと指摘した。
■ワクチン反対の研究者からもヒアリング
またこの日は、HPVワクチンの安全性に対して批判的な見解を示している国内外の研究者との意見交換会も開かれ、「ワクチンに含まれるアジュバント(免疫増強剤)が激しい副反応を引き起こしている」などとする批判について、専門家を交えて議論した。桃井部会長によると、こうした見解についてはこれまでの審議で既に検討されており、「科学的な根拠に乏しい」との結論を得ているという。
http://medicalcarenews.net/2014/02/26/7492