日本は世界屈指の寝不足大国。もちろん、子どもの睡眠時間も30年前と比べると、大きく減っています。たかが寝不足と思ってしまいがちですが、最新の調査では、「睡眠不足が脳に与える影響」や、「高校の中途退学の原因になり得ること」があきらかになってきました。
また、寝不足が続くことで、体内リズムが乱れる「リズム障害」という病気になると、どんなに起こされても、朝起きることができず、学校などの社会生活を送るのが困難になります。
なかなか寝ない幼児を寝かしつけるために始まった保育園の取り組みなど、子どもの寝不足を取り巻く最新情報や、家庭でできる対策についてお伝えしました。
■健康小児における海馬体積と睡眠時間の相関
東北大学加齢医学研究所瀧靖之教授のグループが、5~18歳の子ども290人に行った調査研究「健康小児における海馬体積と睡眠時間の相関」では、睡眠時間が少ない子どもの方が、そうでない子どもよりも海馬の体積が小さいことが分かりました。海馬が小さいことは将来的なアルツハイマー病などのリスクを高める可能性があると言います。
ホームページ:http://www.idac.tohoku.ac.jp/ja/activities/info/news/20120926/index.html
■都立高校中途退学者等追跡調査
平成25年3月に東京都が発表した「都立高校中途退学者等追跡調査」では、高校中退の原因の中で、生活リズムの乱れを挙げた人が多いことが分かりました。
ホームページ:http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2013/03/60n3s300.htm
■年齢別に必要な睡眠時間について
一般的に必要とされる睡眠時間の目安です。日中に眠気を感じない、健康面での問題がない場合などは、必ずしもこの睡眠時間をとる必要はありません。
個人差がありますので、ご自身の体調を見ながら適正な睡眠時間を見極めてください。
【年齢別に必要な睡眠時間】
・3歳まで・・・12~14時間
・未就学児・・・11~13時間
・小学生・・・10~11時間
・中高生・・・8~9時間
・大人・・・7~9時間
■体温のリズム
リズム障害は、夜更かしなどがきっかけとなって、体のリズムがずれてしまう病気です。
夜寝つけず、朝起きられなくなり、日中も強い眠気に襲われるなど社会生活に支障をきたします。
カウンセリングで生活リズムを整えるほか、太陽光の代用として専用ライトを使う治療法などがあります。
リズム障害について
リズム障害の治療を行うクリニック
「睡眠総合ケアクリニック代々木」
■睡眠について
睡眠について、心配な点がある場合は、日本睡眠学会の認定機関を受診してください。
「日本睡眠学会」
ホームページ:http://jssr.jp/data/list.html
日本睡眠学会のホームページより「睡眠でお悩みの方へ睡眠医療認定医リスト」をクリックし、「認定機関」を選ぶと一覧が出ます。
品川区の保育園について
品川区の保育園では、5歳児の昼寝を廃止しています。体力がある5歳児は昼寝をする必要はなく 昼寝を廃止したことで、夜の寝つきがよくなった、スッキリと目覚められるようになったなどの声が上がっています。
※体調や子どもの特性などを見て、昼寝が必要な場合は対応しています。
「品川区保育課 乳幼児教育係」
※昼寝の廃止をしているかどうかは、各自治体や保育園ごとによって違います。
品川区以外の地域については、各自治体に直接お問い合わせください。
番組およびこのページは特定の製品・店舗を推奨するものではありません。
製品・サービスの特性や使用上の制限、契約内容・条件などについては、各自におかれまして、メーカーや販売会社に十分ご確認ください。
NHK「あさイチ」2014年2月5日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/asaichi/life/asaichi-20140205-a-001.html