[ カテゴリー:生活, 社会 ]

高齢者医療費負担増で働き盛りにのしかかる「介護格差」

アベノミクスの次なるフェーズは? 消費税増税で生活はどうなるのか? TPPは? 中韓との外交問題は……などなど、我が国は今年も多くの課題を抱えている。しかし、そんな大きなトピックの陰に隠れて、実は結構日本の首を真綿で絞めるような問題がある。あまり話題にならない、日本が抱える「2014年問題」を探った

【高齢者医療費】財政的にはいいが、実質負担が増加、介護格差に

医療機関で支払う医療費の本人負担分は現役世代が3割なのに対し、70歳以上は原則1割。これが’14年4月から70~74歳の負担割合が2割に引き上げられる。現役世代にとっては、「世代間格差」が縮小する朗報かと思いきや、医療・介護問題に詳しいニッセイ基礎研究所の阿部崇氏は「現役世代の負担は、人によっては非常に大きくなる可能性がある」と警告する。

「今後はさらに入院を短期化するなどの方法で健康保険財政の健全化が図られます。ただし、これは現役世代の保険料増加を防ぐ効果がある半面、在宅看護・介護や処方薬の増加などの副作用もあるため、患者がいる家計の負担が重くなるのです」

健康保険の受給の中心は実質的には高齢者である。阿部氏によると、現在は1割負担である介護保険の本人負担も、財政健全化のため将来的には一律2割に引き上げられる可能性が高いのだという。

「受けられるサービスも縮減するため、要介護状態になった親が『介護難民』となり、また、その親を持つ現役世代の『介護離職』の問題などが深刻化することも考えられます。これまでの広く薄い保険料負担が、今後は患者や要介護者がいる特定の家計に転嫁されていくことになるのです」

親が健康なら問題ないが、ひとたび看護や介護が必要となれば自分たちの生活費が削られたり、離職を強いられたりと、世代内での「格差」が広がりかねないのだ。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140207-00568280-sspa-soci

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