[ カテゴリー:医療, 生活 ]

妊活前に知っておきたい!その2:高齢出産と卵子凍結について

ここ最近の相次ぐメディア報道により『卵子の老化』についての認知度はぐっと上がったように思います。

【特集】若い時の卵子を凍結保存!?あなたならどうする?

『女性が35歳を過ぎると、どんどん卵子が老化する』というニュースは、35歳以上、出産経験のない女性たちの間では、大変衝撃的な内容でした。

女性が第1子を出産する平均年齢が30歳を超え、高齢出産が当たり前となりつつある現在、年齢を経て卵子が老化する、といわれても対策のしようがない、という悩みを持つ女性たちに朗報となったのが、「卵子凍結保存」です。

ここでは、高齢出産と卵子の老化対策としての卵子凍結について、あわせてご紹介します。

◆高齢出産の定義とは?

「高齢出産」とは、日本産婦人科学会では「35才以上の初産婦を高年初産婦とする」と定義されています。かつては「30歳」だったのですが、1993年から35歳になりました。

実は高齢出産が30歳だった時代には、「マル高(まるこう)」といわれ、母子手帳に「高」とハンコが押されていました。しかし誰の目にも「あ、この人は30歳を過ぎているのね」ということが分かってしまい、この時代は未だ30歳以上での出産が少ない方でしたので、差別につながる可能性もあり、現在では母子手帳へのハンコはなくなっています。

高齢出産の年齢が5歳引き上げられた理由は、30歳を過ぎた出産(特に初産)が増えているし、医学的にみても色々と問題がありそうなのはやっぱり35歳からだろう、ということのようです。

◆高齢出産の問題点

現在では、およそ5人に1人は35歳以上で出産する、高齢出産になります。ではなぜ「35歳以上が高齢出産」と定義されているのでしょうか。

これには、医学的な女性の身体の変化があります。例えば卵巣機能の低下です。

いわゆる妊娠しやすい元気な卵子が、きちんと排卵されにくくなる年齢がおよそ35歳前後であることが分かってきました。

それから早産・流産の可能性が高くなるのもだいたいこの年齢。さらに染色体異常の子どもが生まれる可能性が高くなることもあると言われています。

妊娠中毒症、微弱陣痛などを含む難産、胎児仮死や新生児死亡なども増え始めるのが35歳から40歳以上といわれています。

あくまでも個人差はありますが、こういった理由を考慮し、特に35歳以上の初産には充分気を付けましょう、とされているのかもしれません。

◆卵子を凍結保存できるかも?

妊娠して出産に至るまでには、卵巣だけではなく、子宮も必要です。

卵巣が卵子の元となる細胞(卵胞)を抱えて十分に成長させてから排卵するのに対し、子宮は受精卵をしっかり受け止め(着床)赤ちゃんを40週に渡って育てる機能があります。しかし逆にいえば子宮のもつ機能はこれだけであり、子宮は中々年を取らない臓器であるともいわれています。

子宮自体が病気を抱えていなければ、若い頃の元気な卵子による受精卵により、もっと高齢になっても妊娠が可能になるかもしれません。

この考え方から開発されたのが、「受精卵を凍結させておく」という技術です。現在の日本ではまだ保険適応ではないため自費となりますが、理論上は妊娠が可能な技術として注目され始めています。

◆未婚女性にも卵子凍結

日本生殖医学会は、これまで不妊治療中の既婚女性や、がんなどの放射線治療で卵子が傷つくおそれのある女性にかぎり、卵子凍結を認めていましたが、卵子の保存技術が向上し、若い時の妊娠しやすい卵子を残したいという女性の要望を受け、2013年8月13日、健康な未婚女性にも卵子凍結を認めるなどとしたガイドラインをまとめました。

卵子凍結は、女性の体内から摂取した卵子を急速冷凍して保存し、必要に応じて解凍して体外受精に使う不妊治療のひとつです。

卵子凍結は妊娠しやすい若い時の卵子を保存し、仕事や婚期など個人の事情に合わせて出産時期を調整できるメリットがあります。

仕事を持つ女性の選択肢が増え、キャリア形成にも良い影響があると言われていますが、もちろんまだまだ課題も多くあります。

◆卵子凍結の課題

まずは、卵子を凍結すれば必ず妊娠できる、というわけではないということ。卵子がいくら若くても母体に戻す年齢が高齢の場合の母体への負担や、未受精卵の凍結による妊娠率の低さも問題です。

また、卵子を凍結することで安心してしまい、ますます高齢出産が助長されるのではないかという懸念もあります。日本では、卵子凍結を利用した独身女性が、いまだ一人も凍結卵子を利用できていないという現状もあります。

その次に、費用面。卵子凍結を行う民間企業のリプロセルフバンク社の場合、初年度は保管費用を含め70~80万円。内訳は入院し全身麻酔での採卵に50万円前後、凍結に24万円。さらに卵子1個あたり年1万500円の保管料がかかります。その他、保存できるクリニックの数も限られており、技術にも差がある という現状もあります。

◆卵子の老化を止めることはできるのか?

卵巣年齢を知るための指標として、AMH(抗ミュラー管ホルモン)があります。
AMHの定義としては、その女性の生涯妊娠可能な卵子がどのくらい残っているのか、妊娠可能な排卵がどのくらい起こりうるのか、何歳くらいの老化が進行しているのか、を計測できるといわれています。
しかし、30代後半の月経不順の人が検査して45歳程度の結果になることもあるし、45歳の人が検査して20代30代の結果がでることもあります。

AMH値の結果というのは、そもそもの基準値というものがないので、老化の判断としては何とも言えないのが現状のようです。

◆卵子凍結は高齢出産の救世主?

卵子を若返らせることはできませんが、卵子凍結は採卵した時の年齢の卵子ををストックすることができます。
米国の未婚女性の間では、もはや当たり前の予防医療技術である「卵子凍結」。
メリット、デメリットを十分理解し、自分のライフプランを考えた上で、お医者さんとよく相談して上手に利用すれば、女性をサポートする手段の一つだと言えます。

将来の不安を少しでも減らしたい女性は、一度検討してみてもいいかもしれません。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140131-00010000-mocosuku-hlth

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140131-00010000-mocosuku-hlth&p=2

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140131-00010000-mocosuku-hlth&p=3

Facebook にシェア
[`tweetmeme` not found]

コメントする

Facebook にシェア
[`tweetmeme` not found]

団体理念  │  活動展開  │  団体構成  │  定款  │  プライバシーの考え方  │  セキュリティについて  │  事業  │  メディア掲載  │  関連サイト  │  お問い合わせ

copyright © JMJP HOT TOWN Infomaition Inc. All Rights Reserved.   NPO法人 住民安全ネットワークジャパン

〒940-0082 新潟県長岡市千歳1-3-85 長岡防災シビックコア内 ながおか市民防災センター2F TEL:0258-39-1656 FAX:020-4662-2013 Email:info@jmjp.jp