「1週間以上の食料を蓄えて」。24日に大阪府が公表した南海トラフ巨大地震の新たな被害想定によると、避難者が増えるうえ長期化し、食料や飲料水が大幅に不足する。府の有識者会議は備蓄を「住民の基本的責務」とするよう提言し、意識の一層の向上を呼びかけた。
消防庁の防災マニュアルでは日常備蓄の目安を「3日間程度」としているが、有識者でつくる巨大地震対策の検討部会は、府防災計画で「1週間分以上」と呼びかけるよう求めた。検討部会の報告書では、行政による「公助」だけでは対応しきれないとし、住民が自ら命を守る「自助」を訴えた。
府の想定では、地震発生から1週間の合計で、飲料水が8931万リットル、食料が3220万食不足する可能性がある。しかし、自治体や家庭用などを合計した府内の備蓄量は、飲料水1629万リットル、食料1210万食で遠く及ばない。昨年3月の国の想定では、不足分が約1500万リットル、約1390万食だった。府は「被災時に民間の食品、物流業者などから在庫物資の支援を受けられるための協定締結や、貯水槽の余った水の活用を検討したい」と話す。
非常食や防災関連グッズは、ホームセンターなどで購入できる。大阪市中央区の「ロイヤルホームセンター森ノ宮店」は、防災用品のコーナーに家具転倒防止器具などと並んで非常食をそろえている。定番の乾パンのほか、ピラフやパスタなど多彩だ。また、非常食や衛生用品などがまとめて入った「避難セット」もあり、家庭用だけでなく職場用にも使える。
森ノ宮店によると、防災関連商品の売り上げは月約50万円程度。阪神大震災のあった1月や、東日本大震災のあった3月は増える傾向にある。また、南海トラフ巨大地震の被害想定などが報道されても、売れ行きは伸びるという。伊藤晶店長(42)は「いざという時に備える備蓄は大切なので、店としても協力したい」と話した。【深尾昭寛】
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