資源開発最大手の国際石油開発帝石(東京)が、上越市の直江津港に建設していた液化天然ガス(LNG)の受け入れ基地を完成、操業を始めた。原油高や地球温暖化防止の要請を背景に、安価で二酸化炭素(CO2)排出量が少ないLNGの国内需要が拡大傾向にある上、国内の原子力発電所停止に伴う電力供給不足を補うLNG火力発電所の役割も増している。
直江津LNG基地は、容量18万キロリットルのLNGタンク2基や大型タンカーを横付けできる桟橋などがあり、敷地面積約25万平方メートル。約1千億円を投じ平成21年に着工した。LNG供給能力は年間約150万トンで、一般家庭約500万世帯の年間消費天然ガス量に相当する。LNGを輸入し、パイプラインを通じ関東甲信越1都7県のガス会社や工場に販売する“一貫体制”を国際帝石が整えるのは初めて。
当面、国際帝石の南長岡ガス田(長岡市)からの天然ガスと中部電力購入のLNGを混合したガスを調達。国際帝石がオーストラリアで開発し28年末までに生産開始するイクシスガス田から年間110万トンのLNGを受け入れることも計画中だ。
新潟税関支署によると、県内(新潟港と直江津港)の24年LNG輸入量は約590万トンと年間で過去最高を記録し、火力発電向け燃料の輸入増などが寄与した。
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