温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出を減らそうと、環境省が昨年、雪による冷房を東京都内で実施したところ、北海道から雪を運ぶトラックや列車からのCO2排出量が冷房による削減量の約3倍になっていたことが分かった。
同省は今年、輸送距離を縮めて事業を行ったが、11月に行われた政府の「行政事業レビュー」でも批判の声が上がった。
雪冷房は、雪を水槽に解かし、その冷気を空調システムに循環させて室温を下げる仕組み。同省は「電力による通常の冷房よりCO2を30%削減できる」と3億7000万円をかけ、2012年度から3年間の実証実験を行っている。
12年度は9月13日からの1か月間、午後1~4時に東京の帝国ホテルで雪冷房を行った。使う雪は約1230キロ離れた札幌市から、トラックや貨物列車で1日半かけてほぼ毎日、約4トンずつ運んだ。環境省の計算では、雪冷房によるCO2削減量が1日当たり約40キロ・グラムだったのに対し、輸送などで排出されたCO2は約120キロ・グラムで、排出削減には逆効果だった。
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/life/20131217-567-OYT1T00878.html