糖尿病の状態が比較的軽く若い人などはヘモグロビンA1cは6%未満を目標にする。大切なのは食事の改善。外食メニューの選び方などのポイントをお伝えする。
1.治療の第一歩は生活習慣改善
糖尿病の発症には、食べ過ぎや不規則な食事、運動不足、肥満、体質などが関係しています。特に、すい臓のインスリン分泌の予備能力が生まれつき低い人は血糖値が上がりやすく、軽い肥満の人や肥満のない人でも糖尿病になることがよくあります。また、40歳ごろを境に基礎代謝が低下してくるので、高齢になっても若いときと同じように食事をとっていると簡単に体重が増加します。
糖尿病を発症したばかりで血糖値があまり高くない若い人の場合は、食事療法と運動療法をしっかり守れば、薬を使わずに6か月ほどでHbA1c6.0%未満を目指すことが十分可能です。合併症の多くを抑えるための基本の目標値は7.0%未満ですが、6.0%未満ならさらに確実です。
2.食事療法
糖尿病の食事療法には2つのポイントがあります。まず、摂取エネルギー量を適正範囲内に抑えます。1日の摂取エネルギー量は、男性が1400~1800kcal、女性は1200~1600kcalが目安です。ただし、体格や活動量などによって適正な量が変わるので、受診したときに管理栄養士などに相談するとよいでしょう。栄養バランスのとれた食事をとることも大切です。三大栄養素のバランスは、全体の50~60%をご飯やパンなどの炭水化物からとり、残りを脂質とたんぱく質からそれぞれ約半分ずつとるのが理想です。このほか、ブドウ糖の吸収を遅らせて血糖値を上げにくくする食物繊維を積極的にとるようにしましょう。
外食が中心になりがちな場合でも「朝と昼をしっかり、夜は少なめにする」、「脂質を減らし、食物繊維を増やす」など工夫し、アルコール、菓子類、塩分のとり過ぎに注意します。また、炭水化物だけを制限する「糖質制限食」は、食後の血糖値は上がりにくいのですが、長期的な効果はよくわかっていません。
3.運動療法
糖尿病の運動療法には、速歩や、スロージョギング、水泳などの有酸素運動が最も適しているとされています。速歩なら、ややきつめの強さで15~30分を目安に1日2回、歩数にして1万歩を目指して週に3日以上行います。有酸素運動に、筋肉を鍛える運動を加えるとより効果的です。運動をする時間がなかなかとれない場合は、「エレベーターやエスカレーターを使わず階段を使う」「通勤時に一駅分歩く」など、生活の中で体を動かす機会を増やしましょう。
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/medical/kenkotoday-20131105-h-001.html