毎年、11月から4月はノロウィルス感染のリスクが高くなり、すでに警戒されている方も多いかと思います。「感染拡大中!知らないと危険なノロウィルス対策法」でも紹介しているように、ノロウィルスの怖いところは感染力の高さ。
患者の衣類やタオル・シーツを塩素系漂白剤や消毒剤を使って洗うか、煮沸消毒する必要がありますが、消毒したくても難しいのが嘔吐した後の畳やカーペットですね。丸ごと洗うのは無理ですし、塩素系の製品を使うと素材が痛んでしまいますし。
しかし最近、千葉県の長生保健所が考案した方法が簡単で確実だと注目されています。その方法を紹介しましょう。
■犬のトイレに使われるシーツが消毒に効果的
この消毒法で使うのは、タオル2枚とレジャーシート、ペットシーツ、そして熱湯です。ペットシーツというのは、犬のトイレ用に給水性能を持たせたシートのこと。ホームセンターやドラッグストアなどで販売されています。
まずは嘔吐物をぞうきんなどで念入りに拭き取ってから、ペットシーツを吐いた面の上にかぶせます。この時大切なのは、ペットシーツの吸水面を上に向けること。また、拭いたぞうきんは念入りに消毒するか、捨てましょう。
吐いた場所にペットシーツをかぶせたら、次は熱湯をペットシーツに注ぎます。吸水面の広い範囲にお湯を染み込ませるといった感じです。熱湯を注いだらすぐにペットシーツをレジャーシートで覆い、さらにタオルを2枚かぶせます。この状態で冷めるまで放置しておきましょう。
これで消毒は完了です。
■ペットシーツの水漏れとヤケドには十分注意
この消毒法のポイントは、次亜塩素酸ナトリウムを使わない、長時間広い範囲で高温状態をキープできる、後片付けが難しくない、ということ。
ノロウィルスを熱で消毒するには85℃で1分以上加熱するのが必要ですが、これだけの高温を1分以上保つのは、スチームアイロンやスチームクリーナーでもなかなか難しいもの。また、ペットシーツは元々使い捨てなので、終わった後はそのまま廃棄できます。
この熱湯とペットシーツを使った消毒法は簡単かつ確実なのですが、注意したい点が2つあります。まず、ペットシーツの吸水量を超える熱湯を注ぐと当然水漏れしてしまい、後片付けが大変なことになります。どれだけ吸水するのか事前に試してみた方がいいでしょう。
また、熱湯を使うためヤケドの危険もあります。消毒している間、他の人がシーツに近づかないよう注意することが大事です。
ノロウィルスに感染すると吐き気や下痢で辛いだけに、消毒は忙しくてもしっかり行ないたいもの。ここで紹介した消毒法も参考にしてイザという時の備えをしておきましょうね。
http://wooris.jp/archives/58253