はじめに
社会人になると、会社の中では上司に、外ではお客様にと、敬語を使わなければならない機会がグッと増えます。ですが、敬語というのはなかなか難しいもので、間違った使い方をしてしまうと逆に相手に失礼になってしまうこともあります。
社内でも出先でも恥をかくことのないように、注意すべきフレーズを10個紹介したいと思いますので、間違わないように意識してみてください。
敬語の注意フレーズ10選
その1:「了解しました」
仕事関係で、上司に使うことの多い言葉ですが、実はこれは間違った敬語です。正しくは、「かしこまりました」です。こういうちょっとした敬語を、正しく使うだけで、できる人間に見えますよ。
その2:「スイマセン」
「スイマセン」という言葉には、「ありがとう」という意味と「ごめんなさい」という意味、2つの意味が含まれています。
きちんと気持ちを伝えたいのなら「スイマセン」ではなく、「ありがとうございます」「申し訳ございません」という言葉を、状況に応じて使いましょう。
その3:「あの…」
会話のところどころで、「あの…」という言葉を入れてしまう癖のある人がいます。自分の考えがしっかりまとまっていないのに話そうとすると、考える時間を作ろうと、無意識に発してしまう言葉です。
伝えたいことをきちんと頭の中で整理してから、上司やお客様に接するようにすれば、「あの…」や「えっと…」というフレーズを減らすことができます。
その4:「粗末なものですが…」
手土産を渡す際、「粗末なものですが…」というセリフが定番だと思っている方がいらっしゃいます。ですが、粗末なものを手土産に持っていけばそれこそ失礼ですよね。
その5:「○○なんですけど…」
何か頼みごとをする時に、
「お客様、こちら○○なんですけど…」
と語尾をごまかしてしまってはいけません。
「お客様、お手数ですが、○○をしていただけますでしょうか」
と、「お手数ですが」「恐れ入りますが」などのクッションとなる言葉をいれ、語尾は「してください」ではなく、「していただけますでしょうか」という疑問系で話すと角が立ちません。
その6:「なります」
レストランやスーパーのレジなど、身近なところでもよく耳にする間違いやすい敬語です。
「こちら、ハンバーグになります」
「100円になります」
こういった言葉は間違いです。「なります」という言葉は、何かが変化する時に使うものです。例えば、目玉焼きがハンバーグに変化するのなら、「ハンバーグになります」は正解です。
指し示したものを敬語で説明するのなら、
「こちら、ハンバーグでございます」
「100円でございます」
というのが正解です。
その7:「よろしかったでしょうか」
何かを確認する際、
「こちらでよろしかったでしょうか」
という方がいらっしゃいますが、過去形にする必要はありません。正しくは、
「こちらでよろしいでしょうか」
です。
その8:「~のほう」
メニューのほう、お下げいたします。
飲食店で、このような言葉をよく耳にすると思います。ですが、「のほう」というのは方角を指し示す言葉なので、この場合には適切ではありません。
その9:「ご苦労様です」
「ご苦労様」という言葉は、目上の人が目下の人に対して使う言葉です。目上の人に対しては、「お疲れ様です」という言葉を使いましょう。
その10:「○○様でございますね?」
お客様が来たときに確認する際、
「○○様でございますね?」
というのは、思わず使ってしまいそうな言葉ですが、正しくは、
「○○様でいらっしゃいますね?」
です。
おわりに
日本語は、深く考えれば考えるほど難しいですね。考えすぎて言葉が出てこなくなることのないよう、ある程度の常識を踏まえた敬語で話しましょう。
(photo by 足成)