国の特別天然記念物トキの野生復帰に向け、県は1日から、佐渡市新穂地区にある鳥獣保護区の面積を約14倍に広げた。野生のトキの生息数が増えており、トキの住環境を拡張することにした。
鳥獣保護区はトキの餌場やねぐらを保護するため、狩猟を禁じている区域。拡張の対象は、トキを飼育している「佐渡トキ保護センター」の周辺で、19ヘクタールから260ヘクタールに広げた。一帯は田んぼや林野が広がり、一部には住宅地もある。
トキは2008年に放鳥が始まり、これまでに142羽が自然界に放たれた。放鳥されたトキから、昨年、国内で38年ぶりに自然界でひなが巣立ち、今年も4羽が巣立った。
県環境企画課によると、佐渡では現在、97羽のトキが自然界で生息しているのが確認されている。県指定の鳥獣保護区は88カ所(計約15万1500ヘクタール)、国の指定区域が5カ所(計約2万2900ヘクタール)ある。
同課は「自然界にいるトキの餌場やねぐらを保護しながら、野生復帰についての理解をさらに広げていきたい」と話している。
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