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「移住女子」山村の魅力発信 新潟、フリーペーパー創刊

【服部誠一】スーツに身を包んだキャリアウーマンになるよりも、米や野菜を作りながら山の暮らしの魅力を伝えたい――。都会の生活を捨て、縁もゆかりもなかった中山間地にきた20~30代の「移住女子」たちが、フリーペーパーを創刊したり、講演をしたり、言葉を発信し始めている。

標高300メートルの山地にある8世帯19人の十日町市池谷集落。東京の大学卒業後すぐに移住し、2年半が経つ坂下可奈子さん(26)=香川県出身=は「田舎はスローライフと思われがちですが、とんでもない。すごく忙しく、ほんの小さな感動が積み重なっていく毎日」と言う。

ナスの出荷に朝5時起きで軽トラックのエンジンをかける。農耕機で畑地を上手にならすのは難しいが、作物が育つ様子を見たり、口にした人々がおいしいと言ってくれたり……。「そんな山の暮らしをつないでいきたい」と思う。

坂下さんが編集長を務める季刊のフリーペーパー「ChuClu(ちゅくる)」が8月に創刊された。ライターは坂下さんを含め4人。いずれも2008~12年、中越地方や津南町の隣の長野県栄村に都会から移り住んだ女性たちだ。

4人は公益社団法人・中越防災安全推進機構(長岡市)の農村留学事業「にいがたイナカレッジ」を通じて知り合い、「移住女子」の名の下に、思いを伝える雑誌作りをしようと3月から編集会議を重ねてきた。

誌名は中山間地の「中」と農作物などを「つくる」ことにかけ、誌面ではおばあちゃんがつくる郷土料理レシピや、地元で奮闘する「男子」を紹介するコーナーを設けた。ネットで募った寄付金約106万円を元手に発行を始めた。

■都会離れて、なぜ中山間地に

移住女子はどんな人たちなのだろう。坂下さんら「ChuClu」のライター3人は17日、津南町の県立津南中等教育学校に招かれ、15~17歳の生徒約220人に進路指導の講話をした。都会の便利な生活を顧みず、中山間地に移住したきっかけや気持ちを語った。

東京のIT企業に勤めていた栗原里奈さん(27)=千葉県出身=は、東日本大震災でスーパーの米が買い占めされるのを見て、「お金の価値観が揺らいだ。自分で食べ物を作れる人間になりたくなった」と、長岡市の川口地域に移住することを決意した。

渡辺加奈子さん(31)=大阪府出身=は大学の研究で長野県栄村のお年寄りたちの農作業の知恵に触れ、そのまま移り住み、地元NPOスタッフとして村の農産物を直売したり、体験交流施設の運営をしたりしている。「何になりたいかではなく、どこで暮らしたいか。わたしの場合は栄村だった」と話した。

坂下さんは大学時代に入った難民支援の学生団体で、04年の中越地震の復興ボランティアをしたのが縁となり池谷集落に移住した。「都会にはキラキラしてすごい人はいるけど、『こういう大人になりたい』という人物になかなか巡り合えない。でも、中山間地にはたくさんいる。そんな魅力をどんどん語っていきたい」と話す。

ChuClu創刊号は2千部を刷り、お世話になっている施設や飲食店などに置いたところ、すでにほとんどはけた。第2号は「秋」をテーマに、11月末に発行予定。創刊号はホームページ(http://inacollege.jp/iju-joshi/)でダウンロードできる。

http://digital.asahi.com/articles/TKY201310250376.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201310250376

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