突然、激痛に襲われる「胆石」。胆のうにできる石が原因だ。痛いだけではなく、命に関わる病を引き起こすこともある。胆石の早期発見法と対処方法を紹介する!
●「胆石」とは?
胆のうの中にできる石、それが胆石。胆のうは、みぞおちと右の脇腹の間にある小さな袋状の臓器で、胆汁という脂肪の消化を助ける消化液を貯蔵・濃縮するのが役割だ。胆石は、この胆汁に含まれる成分(コレステロールや色素)が結晶化してできる。
●胆石の症状は?
胆石の症状には、「みぞおちから右脇腹にかけての痛み」「背中や右肩の痛み」に加え、「腹部の膨満感」や「吐き気・おう吐」といったものがある。こうした症状は、特に脂っこい食事をとった後に起こりやすいのが特徴。その理由は、脂肪分を多く含む食べ物が十二指腸に届くと、より多くの胆汁を分泌しようと胆のうが強く収縮するから。胆のうが収縮して中の石が動き、胆のうの出入り口に詰まると激痛を引き起こす。ただ、食後2~3時間すると、胆のうの収縮がおさまり、症状がなくなるのも胆石の特徴だ。また、たとえ胆石があっても自覚症状のない人も半数以上いる。
●胆石を見つけるチョイス
胆石を見つけるのに活躍するのが「腹部エコー検査」。健康診断や人間ドックでも広く行われる。腹部エコー検査は超音波を使うため、体に負担はまったくない。人間ドックで腹部エコー検査を受けた人の20人に1人に胆石が見つかり、その数は近年増加傾向にあるという。
●胆石の痛みを取り除くチョイス
現在、胆石治療の主流は、おなかに小さな孔(あな)を開けて行う「腹くう鏡手術」。手術で胆石の入った胆のうを丸ごと摘出する。実は、胆のうがなくなっても肝臓が胆汁を作って分泌するので、脂肪の消化には問題ない。また、胆のうそのものを取ってしまうので、胆石の再発も防げる。
●胆石で命の危険!?
胆石は痛みを引き起こすやっかいな存在だが、それだけでなく、命の危険を引き起こす場合もある。それは、小さな胆石が胆管に転がり落ちて詰まってしまった場合。胆管に石が詰まると胆汁が流れなくなり、そこに細菌が繁殖する。細菌が繁殖した血液が全身にまわると、死に至ることもある。こうした危険な状態を抜け出すには、「ERCP」という内視鏡を使って詰まった胆石と胆汁を一刻も早く体の外に出さなくてはならない。手遅れにならないために、腹痛に加えて発熱がある場合は、体内で炎症が起きている証拠なので、すぐに医療機関を受診する。
http://news.goo.ne.jp/article/choice/life/medical/choice-20131005-c-001.html