秋の代表的な旬食材である柿には、「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざがあります。 その意味には「柿を食べることで病気になる人が減ってしまい、医者の経営がままならなくなる」という一説もあるようです。それだけ柿には栄養がたくさんつまった食材であるといえるでしょう。
では、柿にはいったいどのような栄養素が含まれているのでしょうか?
柿に含まれる栄養素
【ビタミンC】
柿をひとつ食べれば、一日の必要量を補えるほどビタミンCが豊富に含まれているといわれています。ビタミンCは活性酸素の抑制により、お肌のシミ、そばかすなどの予防や、若々しいハリをもたらし、しわ、たるみなどの美肌対策にも期待ができるといわれています。
ちなみ、葉の部分には果実の部分よりも多くのビタミンCが含まれているそうです。若葉を天ぷらにしたり、お茶にして飲むこともできますよ。
【β-カロテン】
β-カロテンは、ビタミンCと同じく強い抗酸化作用を持つ成分であり、ビタミンCと同時に摂取することで相乗作用が起こるため、肌荒れなどに効果的です。
特に干し柿の場合は、生柿と比較して約2倍のβ-カロテンを含んでおり、効率よく摂取することができるそうです。
【ペクチン】
ペクチンは食物繊維のことで、水溶性と不溶性の2種類があります。柿に含まれるペクチンはそのほとんどが水溶性で、コレステロールの吸収を抑制する働きがあるためダイエットをしたい方にオススメです。
特に干し柿はペクチンの含有量が非常に豊富なため、便秘予防などにも効果的ですが、カロリーが高めなので摂取量には注意をしましょう。
【タンニン】
タンニンはポリフェノールの一種であり、渋味成分のことです。渋柿に渋さを感じるのは柿の中に可溶性のタンニンが含まれているからだといわれています。しかし、普段私たちが食べている甘柿は、すでに成分が可溶性から水溶性へと変化しているため、渋みを感じることはありません。
タンニンは血液中にある毒素や悪玉菌を減らし、血液の流れをよくする働きがあるため、体全体の新陳代謝がよくなると考えられています。
柿の栄養を味わいつくす
柿は豊富な栄養分を含んでいる食べ物ですが、あまり摂りすぎると体を冷やしたり、鉄とタンニンが結びつき鉄分の吸収が妨げられることもあるようです。そのため、冷え性や貧血気味の方は一度に沢山の量を摂るのは控えた方がよいでしょう。
この記事を監修したアドバイザー
野菜ソムリエ、食育アドバイザー、栄養士北川みゆき 先生
統合医療系のクリニックで栄養士・野菜ソムリエとして勤務。がん患者さん向けの免疫力を高める体にやさしい食事や野菜ジュースの提案、監修を行っている。「“美と健康”を叶えるためのベジフルセミナー」が好評を得ている。