生地 混ぜすぎない
おやつや軽食として人気のパンケーキは、ふんわりとした食感が魅力。ところが、実際に焼いてみると、ぺしゃんこになったりダマが残ったり失敗も多い。生地を混ぜすぎず、弱火でじっくり焼くことが大切だ。
「ふんわりと焼き上げる決め手は、生地の中にできる気泡を潰さないようにすること。さらに表面に気泡があまり見えないように焼くのがコツ」と、香川調理製菓専門学校教授の江田邦雄さんは話す。
まず、基本のパンケーキを焼いてもらった。チーズを入れてコクを出す作り方だ。
溶かしたバター30グラムとクリームチーズ50グラムをボウルで少しずつ混ぜ、そこに温めた牛乳130ccを少しずつ加え混ぜる。別のボウルで卵2個を泡立て器で軽く混ぜ、上白糖30グラムを少しずつ加え混ぜてから、最初のボウルに混ぜる。さらに、ふるって別のボウルに合わせておいた薄力粉100グラム、脱脂粉乳80グラム、ベーキングパウダー8グラムを泡立て器で加え混ぜる。生地は、泡立て器から細い筋状に流れ落ちる程度のゆるさが目安だ。
「冷たい牛乳を使ったり、粉類を混ぜる時にゴムべらを使ったりするとダマになりやすい。生地を混ぜすぎても粘りが出てふんわりしません」
弱火でじっくり
用意できた生地を焼く時は、油をひかなくてもくっつきにくいフッ素樹脂加工のフライパンがおすすめだ。油をひいて使うフライパンでは生地に油が染みこみ、表面がまだらに焼けてしまうことが多い。
焼く前に、強火でフライパンを熱する。フライパンの表面に手をかざし、どの部分でも同じように熱を感じるようになったら、弱火にして焼き始める。「まず1枚焼いてみてください。家庭のガス台は火力が一律でないことがあるので、一部だけ焦げないようフライパンを動かしましょう」
同じ大きさになるように、お玉の8分目など、1枚あたりの分量の目安を決め、フライパン中央に上から生地を流す。その際、フライパンが均一に温まっていないと、熱くない部分へ生地が流れ、きれいな円形になりにくい。
表面が泡だったら端をめくり、きれいな茶色に焼けたことを確認して裏返す。反対側は軽く焼く程度でよい。この分量だと直径約10センチのパンケーキが10~12枚できる。5ミリほどの厚さのパンケーキは、食べるとふんわり軟らかかった。
おやつ向けなら、より甘く、滑らかな食感を出すため、卵白とグラニュー糖を少しずつ混ぜて泡立てたメレンゲを生地に加えてもいい。江田さんが作ってくれたのは、抹茶味のパンケーキ。「生地に砂糖を入れすぎると焦げやすいのであっさり味で作り、飾りのクリームなどで甘みをつけるといいですよ」と話している。(福士由佳子)
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