■負担軽減 家族も患者も生活の質向上
今や国民病ともいえる糖尿病。治療にあたって、血糖をコントロールするインスリンの投与が患者とその家族の生活の質を向上させることが、「健康日本21推進フォーラム」(東京都中央区)と、糖尿病治療薬の研究開発・販売を行っているサノフィ(同新宿区)が、実施した「糖尿病に関するQOL調査」で分かった。
調査によると、患者家族の88・9%が患者の糖尿病治療を支援。一方で、家族の43・6%が治療支援にストレスを感じている。治療に関しては「精神的」「金銭的」な負担が大きいという。
発症すると、インスリンの早期投与と用量調節が有効だが、患者本人は「投与をなるべく先延ばしにしたい」という傾向もみられる。しかし、実際に投与を受けた患者自身は「経口薬よりも確実に血糖コントロールができる」(86・8%)、「合併症の進展を防げる」(79・5%)など高く評価。さらに「食事ストレスの軽減」「気持ちが前向きに明るくなる」「家族仲がよくなる」など生活の質の向上も実感。さらに家族にも、投与による治療が負担になっていないことが明らかになった。
東京医科大学内科学第三講座の小田原雅人主任教授は、「医師からインスリン導入を勧められても拒否反応を示す患者は多いが、早期投与を検討することは有用。『前向きに治療に向き合ってほしい』という家族の思いを無駄にしてはならない」としている。調査は今年3月、2型糖尿病患者550人とその家族450人にインターネットを通じて行われた。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130920/bdy13092008400002-n1.htm